RAILWAYS OLDTRAIL

画像昨年3月いっぱいで惜しまれつつ引退した、日本最古級の電車・デハニ50形が、この春、スクリーンを駈け巡ります。
錦織良成監督がメガホンを取り、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで日本中を感動の嵐に巻き込んだROBOTが企画・制作を、俳優・中井貴一さんが主役を務める映画『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語~』がそれです。
そんなデハニ50形(52号)が現在、一畑電車・出雲大社前駅の構内で、映画公開を記念して特別公開されています。
7月4日までの毎日、朝9時から夕方4時まで公開。


デハニ50形は、昭和3(1928)年に導入された一畑電車(当時は一畑電鉄)オリジナル車両です。全部で4両が製造され、国内の鉄道線用電車としては、最も古い車両として鉄道ファンには有名な車両です。
昭和初期の風情そのままに、松江方面や出雲市方面から出雲大社・一畑薬師へ向かう参拝客の、また沿線住民の足として大活躍しました。
「デハニ」の「デ」は「電動車」、「ハ」は「3等車(普通車)」、「ニ」は「荷物室あり」という意味です。つまり、デハニ50形とは「荷物室がある普通電車」の50形という事になります。
このデハニ50形、平成7(1995)年には鉄道友の会から、長年にわたり活躍し、今なお現役または保存されている鉄道車両に与えられる『エバーグリーン賞』を授与されています。
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映画撮影に合わせて復元されたロングシート              エバーグリーン賞受賞の証
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「デハニ」の象徴たる小荷物室                      シンプルな運転台
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しかし、近代化と高速化の波に押され、平成8(1996)年には定期運用から外れ、さらには木造車両という事で腐蝕しやすく、また年を追う毎に交換部品確保の困難さが増し、ついに平成21(2009)年3月28日の「さよなら運転」を最後に、現存する2両(52号・53号)が揃って引退。
現在は2両とも、雲州平田駅の構内に留置されています。
今後の活用については、動態保存や期限付きの復活運行などが検討されていますが、答えが出るのはまだまだ先のようです。
まぁ、数少なくなった昭和初期の車両であり、鉄道ファンからも沿線住民からも親しまれた車両ですので、このまま廃車解体という道には進まない事だけは確かなようですけど。



そんなデハニ50形がスクリーン狭しと走る映画『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語~』が、5月29日から全国ロードショーとなります。
主人公・筒井肇は、一流企業に勤める49歳。取締役への昇進も決まり、会社での立場は確立したが、仕事一筋で家庭を顧みない肇から、家族の心は離れる一方だった。
そんなある日、故郷・島根で暮らす母が病に倒れる。見舞いに訪れた肇はふと思う。家族を気遣う余裕もなく、気が付くと息切れしている自分。
「ただ、がむしゃらに生きてきた。しかし、気が付くと、家族はいつしか家族ではなくなっていた。妻の気持ちも、娘の気持ちもわからない。自分の気持ちさえも……
俺はこんな人生を送りたかったのか……?」
そして肇は決意する。会社を辞め、子供の頃の夢だった電車の運転士になる事を。
50歳を目前に、無謀にも夢に挑むその姿は、やがてばらばらに離れた家族の心を引き寄せてゆく……
ねぇ? トレーラー読んだだけでワクワクするでしょう。感動作である事は間違いないでしょう。
キャストがまたスゴい。
主人公の筒井肇に中井貴一、その妻・由紀子に高島礼子、娘・倖に本仮屋ユイカ、母・絹代に奈良岡朋子。肇の同僚運転士に三浦貴大(三浦友和・百恵夫妻の次男坊――て、こんな説明も要らんですね)と甲本雅裕、一畑電車社長に橋爪功、運輸営業部長に佐野史郎、車両整備課長に渡辺哲。絹代の介護士に宮崎美子。
他、錚々たる俳優陣が脇を固めます。
また、主題歌『ダンスのように抱き寄せたい』を松任谷由美が歌います。
いやいやいや、これで当たらなきゃウソだわ(笑)
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さて、映画は宍道湖北岸を走る一畑電車を舞台に描かれますが、この映画を本当に地で行くような出来事が、千葉のいすみ鉄道で起こりました。
全国でも初となる、養成コスト自己負担による列車乗務員訓練生募集で、4人の方が内定したんですが、その4人というのが全員40~50代の会社員だというのです。
列車の運転士という子供の頃からの夢に進む姿は、まさしく映画の主人公・肇にダブって見えるじゃないですか。

ただ……その……訓練費700万円を自己負担てのも、いろいろとスゴいですけどね。

いすみ鉄道を走る車両は、すべてディーゼル車で、それを運転する為には「動力車操縦者運転免許」という国家資格を取得しなければなりません。しかも、その試験は鉄道会社勤務者という受験条件があり、約2年の実務訓練が必要とされているそうで。
いくら財政逼迫とはいえ、それを全額応募者に負担させる会社もスゴいですが、「それでも俺はやる!」と700万円をポ~ンと出せる応募者もスゴいですわ。


49歳――よしよし、まだ間に合うな。
でも700万は出せましぇん……

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