大きなのっぽの

画像さて、皆様。これは何でせう?


……もうわかったかな?


そうだね、プロテインだね(by パッション屋良)



――モチロン違います。正解は砂時計です。

こちら、世界最大の砂時計で、その名も『砂暦(すなごよみ)』と申します。
直径1m、高さ5.2m。落下する砂の量は、直径平均サイズ0.106㎜の粒が1トン。最初の一粒が流れ落ち、最後の一粒が落ち切るまで、ちょうど365日。
なんとこの砂時計、一年計の砂時計なんですねぇ~。

ございますのは、島根県は大田市仁摩にある『仁摩サンドミュージアム』という、全国でも珍しい砂の博物館です。
この仁摩町というところ、鳴き砂で有名な琴ヶ浜海岸がある所としても有名です。
JR山陰本線で大田市から西へ3駅、仁万駅で下車します。
こちら、町名は「仁摩」ですが、駅名は「仁万」です。ちなみに高校の名前は「邇摩高校」。 ( ̄ー+ ̄)ニマッ
(つーか、これじゃ「ニヤッ」じゃねぇか)
この仁万駅、世界遺産に登録されたばかりの石見銀山への玄関口にもなっています。
……ん? 大田市駅が玄関口? んじゃ、こっちは裏玄関かい?
画像仁万駅前から少し歩いて、国道9号線に出ましたらば、6つのガラスのピラミッドが特徴的な『サンドミュージアム』は、すぐ目の前です。
『サンドミュージアム』は、〝砂の博物館〟というだけあって、日本のみならず世界中の砂について、地理的・科学的に紹介しています。また、砂時計にも象徴されるように、砂と「時」「時間」との結びつきについても展示・紹介されています。そして、器の傾斜などによって時々刻々その姿を変えて行く砂が織り成すアートを楽しむ〝サンドアート〟の世界なども紹介されています。
一口に砂時計といっても、砂の量や落ちる速度など様々な要素が緻密に計算され、いろいろな時間を測る砂時計が誕生しています。
1分時計に始まり、1時間計、1日計、10日計、果ては一年計、と。
クラシックの名(迷?)曲『4分33秒』(正しい曲名は『沈黙の奏者』)を演奏する(といっても奏者は何も音を発せず、ただ無音の世界が続くだけなんですが)為だけの、4分33秒計。
太陽の光が地球に届くまでの時間を測る、8分18秒計。
何とも様々な砂時計があるものです。

画像ところで、肝心の巨大砂時計。
実物は、高さ21mもある一番大きなピラミッドの最上階に設置されているのですが、見学する時は頭上を見上げる形になるので、その大きさを実感する事が出来ません。
という訳で、実物と同じモデルが中央ホールに展示してあります。
……ナルホド、これはデカいわ……
この一年計、毎年大晦日の深夜にぐりんと反転させるのですが、いったいどうやって反転させると思います?
電動? 機械仕掛け?――ノンノンノンノン。なんと人力(笑)なのです。
『時の祭典』といって、歳男・歳女108人が、日付が変わり年も改まる深夜12時の時報とともに、綱引きよろしくエンヤコラセと綱を引っ張り、砂時計を反転させるのです。
単純っちゃあ単純なんだけど……イマイチ釈然としないのは何故?
歳男・歳女108人って……煩悩の数だけ集めてみました、的な考えはどうなんだろう?

ミュージアムの外には、大気による偏向差異も計算に入れた高精密な日時計や(日時計って時点で、高精密を謳うのに抵抗を感じるんですが)地元・邇摩高校の生徒さんが整備する花時計など、「時」と人間の結びつきにとことんこだわっています。
隣には、砂から生まれるガラスをテーマにした『ふれあい交流館 MOBA』があります。
1階は、ガラスのアクセサリー作りやサンドブラスティング(コップなどに細かな砂を吹き付ける事により、絵や文字などの彫刻を施す工芸)を体験できる体験教室になっていますが……今日はお休みでした。
2階はミュージアムショップになっていて、ボヘミアングラスをはじめとする世界のガラス製品やガラスのアクセサリー、オリジナルの砂時計などが展示販売されています。TVドラマ化もされたコミック『砂時計』にも出てきた一分計砂時計がここの大人気商品なのですが、一個一個手作りの為に生産が間に合わず、数量限定だったり予約販売になってたりします。ただ……ワタクシ、この『砂時計』というお話を知らないので、何故そんなに人気があるのかさっぱりわかりません。少女マンガなのですね。

『サンドミュージアム』から西へ10㎞ほど行った先に、鳴き砂で有名な琴ヶ浜があります。鳴き砂の浜は世界中にあるのですが、護岸整備や乱開発などで徐々に姿を消して行ってるのが現状です。日本でもかつては20数ヶ所ほどあったのですが、今では数えるほどになってしまったんだとか。
琴ヶ浜へはバスで「神子路」という停留所で降りるのが一番近いのですが、便数が一日4便しかありません。10時台と12時台、13時台に各1本あって、それを逃すと18時台までありません。帰りも16時台の便が最後です。まぁ、10㎞ほどなんで、歩いても30分かかるかどうかという距離なのですが、ウカツに歩いてはいけません。国道9号線、結構車通りが激しい上に歩道がありません。しかもずっと上り坂。御覚悟めされい。
坂を登りきった先、県道290号線との分岐を海に向かって下りて行きます。
途中、井戸端会議をしていたおばちゃんたちに声をかけられました。

「こんにちわぁ。旅行者ですかぁ?」

「えぇ……あの、琴ヶ浜へ行く道はこっちですか?」

「はぁい。よぉ~く鳴りますよぉ」

どんな案内やねんな。

神子路の集落を浜に向って下りて行くと、不意に陽光に輝く海と白い砂浜が見えてきます。

「あぁ……砂……!」

いや、間違いじゃないけど、どんな感想やねん。
画像琴ヶ浜は全長2㎞ほどの砂浜海岸で、夏場には海水浴場にもなります。なので、至る所に砂浜へ下りる階段が備え付けられています。
鳴き砂は、石英質を多く含んだ非常に粒の細かい砂で、寄せては返す波によって軽い粒の揃った砂だけが水際まで運ばれて堆積したもの。粒が均一な石英質の砂なので、押し擦るとキュッキュッと音を立てるんだそうです。500万年もの月日が生み出した自然の芸術ですね。
よく鳴るかどうかは、その日の天候や湿度、ゴミや流木などの不純物の度合によっても変わってくるそうです。だから、同じキュッと音が鳴った場所の砂でも、上の乾燥した部分しか鳴らないとか、ほんのちょっとのゴミや油で汚れただけで鳴らなくなるといった非常にデリケートなものなんだそう。
そういった訳で……確か水際に近い方がよく鳴るんだったよな――行ってみましょう。
サクッ、サクッ、サクッ、サクッ……キュッ!
あ! 今キュッ!て言ったよキュッ!て。
確かグッと踏むより、摺足のようにして歩いた方がよく鳴るんだったな――もう一回行ってみましょう。
スッ、スッ、スッ……キュッ! キュッ! キュッ!
あぁ! 鳴った鳴った鳴った!! 連続して鳴った!
へぇ~……本当に鳴るんだぁ……して、鳴る時に振動というか音の波動というか、足の裏に伝わるもんなんだね。
いやぁ~いやいやいや、何だぁ? 楽しくなってきちゃったぞ?
人ってこういう時、自然と笑っちゃうもんなんだね。誰もいない浜辺で、一人バカみたく「あはははは」と大笑いしてしまいました。何も知らない人が見たら「大丈夫かい!? コッチ戻っといで!」って真顔で心配しそうなくらい。
(――コッチってどっちさ?
たぶん場所を指すんじゃなく、「バカサイドからマトモサイドに戻っといで」て意味なんでしょうね)
あるいは通報されるか。「浜辺でバカ笑いしてるヘンな男がいます!」って。
……ワタクシ、ヘンな男ですか?
多少の自覚はありけど――あぁ~あ、あるんだぁ(笑)――客観的に指摘されるとヘコみます。

ん~……調子に乗って遊びすぎました。見ると、靴の中も靴下の中も砂でジャリジャリしてます。まぁ、粒が細かいんでサリサリ程度ですが、それが何だか逆にこそばゆいです。





いやぁ~……いい体験しましたね。

「鳴き砂は本当によく鳴る」

それがわかっただけでも、大収穫の日帰りのらり旅でした。



砂時計(ガラス)青

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