足摺の海と奇岩群と

画像日本一の収容人員を誇る、中四国唯一の海中展望塔『足摺海底館』です。
岩礁から突き出す形で建つ展望塔へは、歩道橋のような橋を渡って入ります。
海上には、太平洋を一望する展望室。岩礁からの高さ24m。
昔見た科学雑誌に、こんなのがあったのを記憶してます。確か『海底アパート』でしたっけ。海中と海上、建つ位置は違いますけど。
マンションじゃなくアパートってのが、何とも時代を感じさせるよねぇ。

螺旋階段を下りると、そこは南海の海面下7m。360度のパノラマで、サンゴや色とりどりの魚たちが舞う〝竜宮城〟です――ありきたりな解説だなぁ……(笑)
丸い海底窓から覗いてみると、多種多様な魚たちが勝手気ままに遊泳してます。
といっても目に付くのは、おちょぼ口のフエダイばっかり(笑)
いやいや、ちゃんと他の魚もいましたよ。
ピンストライプも可愛らしいチョウチョウウオ。縦ストライプのツバメウオ。鮮やかなブルーのソラスズメダイ。七色に輝くニシキベラ。
そして、窓際で愛嬌を振りまくハリセンボン。川野卓三じゃねぇよ?
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いやぁ~、どうしてカメラ越しになると濁って見えるんだろう。ホントはもっとスッと澄んでるのに。
で、一つの窓に集中するのは、そこで餌付けしてるから。南紀白浜の海中展望台で学習済みです。
まぁ、その辺を知らない観光客からは、こんな声が。
「わぁ! 見て見て、コッチお魚いっぱぁ~い!!」
「ヤダぁ、餌付けしてんじゃない! え~、なんかガッカリ~!!」
全国の皆さん。海中展望台って、こういうもんだと思って来て下さい。そうだとわかってても、群れで泳ぐ魚たちを見たら、イヤでも感動しますから。
……ふ~ん、イヤなんだ(笑)

さて。
宿毛へ引き返すバスが出るまで(足摺岬回りで中村に向かうバスもあるんですが、出るのは昼過ぎですしねぇ?)、1時間ほど時間があります。
見残し海岸まではちょっと遠くて、弘法大師よろしく見残すしかないですが(笑)、竜串海岸の奇岩群はすぐそこですし、ぐるりと見て回っても30分ほど。散策にはちょうどいいかと。せっかくなんで奇岩巡りと参りましょう。
レストハウス裏から遊歩道を600m、桜浜と呼ばれる小さな砂浜(海水浴場なんですと)の先に、竜串海岸に下りる階段があります。ここが奇岩探索のスタート地点です。
先にも述べましたとおり、竜串は約二千万年前の「竜串層(三崎層群)」と呼ばれる砂岩泥岩互層が分布しています。比較的風化しやすい砂岩層には、激しい風や波の浸蝕による〝蜂の巣構造〟と呼ばれる特徴的な岩肌をはじめ、妄想的な岩石の造形〝奇岩奇勝〟が点在します。
そんな数々をご紹介。
画像『千畳敷』から見た景色。右の小山は『不背山』と言います。
どこから見ても同じような形で、裏(背)がない事からこの名が付きました。












画像かつてこの上に、二つの岩山を繋ぐ橋のように岩が走っていて、『天の橋立』と呼ばれていましたが、平成11年に崩れ落ちてしまったそうです。
今は、岩山に沿って縦に深く刻まれたクラックが、まるで滝が流れ落ちているように見える事から『竜門の滝』と名付けられています。
時代とともに、呼び名もこうして変わって行くんですね。







画像手前の岩場、砂岩の中からチョコチョコ頭をのぞかせている泥岩を蛙に見立て、ここは『蛙の千匹連れ』と呼ばれています。
「え? どこが?」と思われるでしょうが、じぃ――――っと見てるとソレっぽく、まるで無数の蛙が海に向かってるように見えてくるから不思議。
蛙ぴょこぴょこ 三ぴょこぴょこ♪

……蛙って海を泳ぎましたっけ?





画像ウネウネとうねる岩肌。まるで欄間のようである事から『欄間岩』と呼ばれています。
このうねり、砂岩と泥岩の堆積速度の差や波による砂の動きによって生まれたもので、地質学的には褶曲構造(コンボリューション)と呼ぶそうです。
他にも、岩肌を注意深く見て行くと、アナジャコ類の巣穴跡や古生物の生活跡が化石となって表に出てきた〝生痕化石〟、〝化石漣痕(リップルマーク)〟と呼ばれる、海底の砂の表面に水流の動きによって作られた周期的なうねり模様など、地質学的に重要な痕跡があちこちに見られます。




画像これが、この一帯でよく見られる〝蜂の巣構造〟の岩肌です。
風と波による自然の造形。作ろうと思ったって作れるもんじゃありません。
讃岐屋、思った以上に魅了されてますよ。










そして、この海岸最大の見所が、この『大竹小竹』です。
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砂岩の表面が、長年の風と波の浸蝕によって丸みを帯びた棒状になり、等間隔で横に入った割れ目(節理)が節のように見える為、まるで海に突き出した2本の竹のようである事から付いた名前です。
……そう見えますかしら?


海岸沿いをぐるっと巡り、漁港の防波堤横がゴール(逆回りでもOK)。
戻る途中、まるで龍宮城のような、中国の王宮風建物がありました。『サンゴ博物館』ですが、乙姫様がいなくなってしまったのか、閉鎖されていました。何なんだ……
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国道321号線沿い、レストハウス手前には水族館『足摺海洋館』があります。
ここでは、〝土佐の海と黒潮の魚たち〟をメインテーマに、黒潮が迫る沿岸海域を泳ぐ魚類をはじめ、磯の潮溜まりに棲む無脊椎動物(ナマコ類)やサンゴなど、約200種の海洋生物が飼育展示されています。
もっと時間があれば、見学して行ってもよかったんですけどね。時間の事は度外視しても、食指が動かなかったのは何故でしょう?

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