灯りをつけましょ おんどりに♪

……ローストチキンっすか?
こんがりキツネ色、讃岐屋です(笑)
昨今、全国各地で街角に雛人形を飾るイベントが増えてきてます。ここ香川でも、東讃の引田町(東かがわ市引田)が有名ですが、今回は、昨日・今日の2日間にわたって宇多津町で催された『うたづの町家とおひなさん』を見てきました。

画像瀬戸大橋を間近に望む宇多津町は、高松と丸亀を結ぶ「さぬき浜街道」沿いにビルや商店、高層マンションが立ち並ぶ近代的な街並が続きますが、旧街道(県道33号線)沿いでは昔ながらの街並が、いにしえの面影を残しています。四国霊場78番札所の郷照寺や日本最古の聖徳太子像を祀る聖徳院をはじめとする1社9寺がひしめき、界隈1㎞四方の旧市街――特に〝古街〟と呼ばれる本町・水主町(かこまち)・新町一帯には、虫籠窓や出格子が特徴的な町家造りの家々が軒を並べています。
その町家も建替え等で年々減少の一方。そこで、町家保存の機運を高めようと(ついでに町の活性化もやっちゃおうと)企画されたのが、この『うたづの町家とおひなさん』というイベントです。
毎年3月3日近くの土日に催され、今年は1日・2日に催されました。今年で5回目。
へ~え、そんなにやってたんだぁ……
路地を曲がれば、ひょっこり現われる町家造りの趣きある家。中を覗けば、絢爛豪華な雛人形飾り。昭和初期や大正期といった年代物の雛壇飾りもあれば、最近流行の物もある。出格子窓をひょっと覗けば、そこにも内裏雛がちんまりと鎮座まします。
何でしょうねぇ。まるで宝探しでもしてるみたいで、路地を覗くのが楽しくなっちゃいます。
本イベントは、実行委員会が主催となって、町や教育委員会、商工会、観光協会が後援・協賛し、地域住民の皆さんの協力の下、盛大に繰り広げられています。
数にして100軒近く。その模様たるや、まさに〝ヴァーリトゥードひなまつり〟でございます。
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             公民館に雛飾り                         ショーウインドウに雛飾り

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            お家の玄関に雛飾り                       魚屋の店先に雛飾り

他にも、電気屋から衣料品店からコンビニからお寺の本堂まで(笑)、街角の至る所に雛人形が飾られています。
はぁ~あ……も、何でもアリだな(爆)
でも、実に華やかです。こういう雰囲気、好きです。
これだけの数を揃えるとなると、実行委員会もさる事ながら、協力してくれた各家庭も、さぞ御苦労された事でしょう。二日間の日中だけとはいえ、玄関や座敷を提供し、お茶やお菓子でもてなして。ホント、頭が下がります。
展示されている雛飾りを見て巡ると、それぞれに違いがあって、とても面白かったです。代々受け継がれてきたであろう年季の入った物があったり、その時代時代を映し出した物であったり(バブルの頃は、段飾りの段数がどんどん増えて行き、無駄と云うか無意味に豪華さを競う物が流行したそうです)。
ただ、各々の雛飾りを見て思ったのは、「たとえ時代がどんなに変わろうと、親が子供の幸せを願う気持ちに変わりはないんだな」という事です。
画像雛人形を眺め、お接待のお茶をいただきながら、とても興味深い話を聞きました。
東の人間にはあまり馴染のない、内裏雛が沖縄の首里城みたいな屋形の中に入っている雛飾り――最初見た時は「こぉれはヤリ過ぎだろう」とも思ったんですが、実はコレ「御殿飾り」といって、京・大阪など関西の一部では、ごく普通に見られた雛飾りなんだそうです。この屋形は宮中(紫宸殿)を模したもので(て事は、内裏雛は天皇・皇后を表している訳ですかな)、明治・大正から昭和30年代中頃までは、この「御殿飾り」はよく見られたそうです。
高度成長期に入って団地住まいが流行ると、狭い部屋に大きな段飾りは邪魔になるという事で、男雛・女雛だけのいわゆる〝団地雛〟が主流になり、「御殿飾り」の雛壇は影を潜めるようになりました。再び一戸建ての持ち家ブームが訪れた時には、皆さんがよく見る金屏風の段飾りが主流で、「御殿飾り」の雛壇はごく少数で現在に至る訳です。
(「御殿飾り」ではなく金屏風の雛壇が選ばれたのは、童謡『たのしいひなまつり』のイメージが強かったからとか)
他にも

     ・内裏雛の並びは、昔は左右が逆だった。(古来より、左が上座とされてきた為)
      今の並びになったのは明治時代の西洋化の影響。
      決定的になったのは、昭和天皇が常に香淳皇后の右に立つようになってから。
     ・三人官女の真ん中(三宝を持っている人形。女中長だそうで)は既婚者。
     ・五人囃子は能楽師を模したもの。昭和50年代後半には〝七人囃子〟なんてのも出たとか。
     ・右大臣、左大臣は実は大臣じゃなくて、宮中の衛士。雛壇の下に位置しているのはその為。

知ってる人は知ってるんでしょうが、男兄弟の中で育ってきた私にとっては、今ここに「へぇ~ボタン」があったら、ビビる大木並に連打して常に〝満へぇ~〟を出しちゃうような話ばかりでした。


古い町並みを彩る華やかな雛飾り。
こうして見ると……いやぁ~、桃の節句っていいもんですねぇ。第一、華やかですもん。雅ですもん。女の子が羨ましくさえあります。
このイベント、街の賑わい創生には十分役立ったんじゃないでしょうか。
町家保存の機運向上は……う~ん、どうなんでしょ?

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