地下鉄(メトロ)でGo! レトロでGo!

名古屋でも市電が走ってた事を知ってる(もしくは覚えてる)人は何人いるでしょうか?
そんな市電と地下鉄の歴史を紹介してくれているのが、名古屋市交通局の市電・地下鉄保存館――通称『レトロでんしゃ館』です。

画像地下鉄鶴舞線赤池駅下車。2番ゲートから地上に出ると……あれ、降りる駅間違えたかい?と一瞬戸惑うほど普通の住宅街が広がっています。正直不安にはなりますが、電柱に掲げてある案内板には間違いなく「レトロでんしゃ館はコチラ」の文字。半信半疑で案内に従って行くと、程なく国道153号線に出ます。
ところが、それらしい建物が見えません。あるのは何やら工場らしきものばかり。
僕、一応下調べをしてきてますので、その地図に従って国道の反対側に渡ると、交通局日進工場の敷地内へ。
何ですか? 社会科見学か何かですか? でも、門の横には「レトロでんしゃ館」という大看板と、掘削用の巨大なシールド機械がオブジェとして展示されているので、間違いではないようです。
いや、間違いも何も、下調べしてあるんだから不安がる事はないんですが、それでも不安にさせてしまうこの雰囲気は何でしょう?
案内表示に従って行くと……いやいや、これはどう見たって社内レクリエーション用の体育館だって。
こぉれは失敗したかなぁ~。こんなんじゃ人っ子ひとりいないんだろうなぁ~。中もきっとショボいんだろうなぁ~。
半ば意気消沈、期待を裏切られた感を持って中に入ると……
うわ! 何だコレ!?
ズラリと並ぶ市電・地下鉄車両。すべて実車。そして人、人、人。鉄道ジオラマ模型に群がるチビッコたち。
何だ何だ、大盛況じゃん。
画像画像














名古屋の市電の歴史は、遠く大正11(1922)年にまで遡ります。厳密には、名鉄の前身会社である名古屋電気鉄道(通称「名電」)が、明治29(1896)年から路面電車を市内各地へ走らせていたので、これをスタートと見る口もありますが、〝市営電車〟としてのスタートは名電路線の買収譲渡を受けた大正11年からです。
以来、昭和49(1974)年3月30日に全線が廃止されるまで、51年(名電時代から換算すると77年)の長きにわたって名古屋市民の足として走り続けました。
画像その先鋒役を買って出てたのが、この1400型です。
昭和12(1937)年に開催された汎太平洋平和博覧会の観客輸送を目的に、「博覧会に相応しい世界一の電車」を標榜して製造された車体で、このタイプが名古屋市電の標準型車両となりました。
昭和11年から17年までの6年間に75両が製造され、市電が廃止されるまで活躍した、息の長い車両でした。引退後は豊橋鉄道に譲渡され、「モ3100型」として運行されていましたが、これも平成18(2006)年3月で全車両が引退。うち1両がイベント用に動態保存されています。




画像3000型は2両連接型の車両。戦時中に工場通勤者を大量輸送する目的で、国から特別に資材割り当てを受けて、昭和19(1944)年に10両だけ製造されました。
連接車両は、他に2600型と2700型がありましたが、この3000型は連接車両の代表格で、戦中戦後を通じて大活躍しました。
ですが、車体構造的にワンマン化改造に適さないという欠点が禍して、昭和45(1970)年に全車両が廃車になりました。
戦後復興と高度成長期を支えた名車でした。





画像最新技術の粋を集めて製造された2000型。昭和31(1956)年から33年にかけて29両が製造されました。
車輪にゴムを挿入して、騒音・振動を少なくするなどの工夫がなされ、1800型・1900型とともに〝無音電車〟と呼ばれました。あまりの静かさに市民から「〝忍び足の電車〟で危ないので、警笛の音を大きくせよ」という批判が寄せられるほどだったとか。
鳴り物入りで登場した2000型でしたが、路線縮小の波に呑まれ、昭和46(1971)年から47年にかけて全車両が引退しました。ですが、その技術は昭和32(1957)年に開業した地下鉄車両へと引き継がれて行くのでした。



画像昭和32年11月、国内3番目に開通した名古屋市営地下鉄で、開業当時走っていた100形車両です。昭和63(1988)年までに全車両が引退。まさに〝昭和の馨りがする車両〟ですね。
車体の菜種色は、ただでさえ暗い地下鉄構内を明るく走り抜けるようにと、画家の杉本健吉さんが選定したそうです。以来、市民からは「黄電」と呼ばれ親しまれたそうです。この黄色は、今も地下鉄東山線の路線カラーに引き継がれています。
どうもコヤツ、どこかで見た顔だなぁ~と思ったら、派生・改造車両が引退後に琴電に譲渡されて、今も活躍中なんだとか。
ナルホド、道理で。

開業当初、名古屋駅と繁華街・栄の間だけだった路線も、今では6路線に増え、名鉄との相互乗り入れのお陰で、名古屋市内のみならず犬山市から豊田市まで行く事が出来るようになりました。また、名城線は世界で7番目、国内では初の地下鉄環状運転路線。
東京の地下鉄大江戸線も環状線ではあるけれど、環状運転はしていない(6の字運転)そうです。

さて、館内で大人気だったのが、鉄道模型(Nゲージ)のジオラマと列車運転シミュレータでした。
画像ジオラマ模型は縦6m、横2.4mと云いますから、そのバカでかさが想像できますでしょうか。名古屋城やテレビ塔など名古屋の街を模したジオラマ模型の中を、地下鉄の外にも新幹線やJR在来線など8路線が縦横無尽に走り回ります。地下鉄路線はちゃんと地下を走る(見る時はジオラマの横から見るんです)からオドロキです。
それぞれの路線に対応したコントローラーがあって、鉄道模型を運転できるようになっています。混雑時は、取り合いにならないよう3分程度での交代が決められてます。
一部車両には先頭に小型カメラが搭載されていて、その映像がジオラマ上部に設置されたモニターに映し出されるしくみに。模型車両の運転士気分を味わえます。
こぉれはチビッコに大人気! ガラスにへばり付いて、お父ちゃんが呼んでもお母ちゃんが引っ張っても、テコでも動こうとしませんでしたねぇ。
一方、大人に人気だったのが、この列車運転シミュレータです。
画像東山線・名城線・鶴舞線・桜通線の4路線の始発駅から終着駅までの運転シミュレーション・ゲームで、まさに名古屋地下鉄版『電車でGo!』ですね。
名港線と上飯田線がないのは、区間が短すぎて、あっという間に終わっちゃうからでしょうね。
このシミュレーションゲーム、「家でもやりたい!」という人向きに、『とことん地下鉄!! 大名古屋』というパソコンゲームがCD-ROM版とDVD-ROM版で販売されてます。
監修・販売は言わずと知れた名古屋市交通局。価格はCD-ROM版が700円。DVD-ROM版が2,000円。
但し、CD-ROM版はXP非対応。パッチデータが必要らしいです――て、最近のPCじゃ使えねぇぢゃん(笑)
あまりお薦めしませんが、マニアネタとしてどうぞ。



その外観に拍子抜けして、あまり期待してなかったんですが、これは逆の意味で裏切られましたね。入場無料ってのも嬉しいサプライズ。
今回初めて訪れましたが、どうして2年前ここへ来なかったんだろうって思うくらい気に入りましたね。
名古屋の〝鉄ちゃん〟はウラヤマシイなぁ~。

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