彩の国のらり旅~小江戸散策・ねこねこパニック

画像川越という街は面白い街で、江戸・明治・大正・昭和の4世代(平成も含めると5世代か?)の街並が渾然一体として息づいています。

明治の顔が蔵造りの街並なら、江戸時代の顔は〝時の鐘〟です。
薬師神社の門のように建つ〝時の鐘〟は、江戸寛永年間、時の川越藩主・酒井忠勝によって創建されたと伝えられ、城下に時を告げ、庶民に親しまれてきた時計台です。
それから四百星霜、1日4回(朝6時、正午、午後3時、夕方6時)川越の市民に、そして訪れる観光客に、今なお時を告げ続けています。その響きの良い音色は、平成8(1996)年、環境省(当時は環境庁)が定めた「残したい日本の音風景百選」にも選ばれ、小江戸・川越のシンボルにもなっています。
度重なる火災で焼失しては再建を繰り返し、現在の鐘楼は、明治26(1893)年の川越大火後に再建された4代目。木造3層の櫓の高さは、奈良の大仏と同じ約16mなんだそうです。……狙ったんですかね?
川越市民に限らず、こういった〝街の顔〟みたいな建物がある街に住む人たちに対し、もうそれだけで「ズルいなぁ~……」と思ってしまうのは何故なんでしょう?
でも、400年の昔から、こうしたランドマーク的な建物が厳然として存在してたら、そりゃあ誇りにも思うだろうし、自慢したくもなるよね。

江戸情緒の残る川越の街並にあって、一際目を惹く洋風建築があります。
大正7(1918)年に建てられた旧・第八十五国立銀行本店本館。〝時の鐘〟と並ぶ、川越のもうひとつのランドマークです。画像現在も埼玉りそな銀行川越支店として営業中。驚く事に今でも現役なんですよねぇ~。
青緑色のドームも特徴的なサラセン風デザインの建物は、東京丸の内の赤煉瓦オフィス街などを手掛けた保岡勝也の設計によるもの。氏の代表作にもなっています。
川越の伝統的な街並にあって、近代化の歩みを示す象徴として、平成8年、国の有形文化財に登録されました。
明治建築スキーのワタクシめにとりまして、こういった建物が今だ現役ってのは、何とも嬉しい気がします。
建物はやっぱり使われてナンボ。人が住まなくなれば、あっという間に廃れますからね。現役を退いて博物館化するのも、それはそれでいいのですが、こうして本来の使われ方をしてるとなれば、建物にとってこれ以上の幸せはないと思うのです。
西欧諸国に追いつけ追い越せで頑張ってきた明治・大正を物語る建物が、老朽化や再開発の名目の下に消えてゆく昨今にあって、この先百年、二百年と受け継がれていって欲しいものです。




時間も時間、そろそろお腹が空きました、という事でお邪魔したのが、蔵造り通りに面した『甘味茶房 かすが』というお店。甘味処ながら、しっかり食事もできると云う。
実はここにしようか、もう少し先の『浪漫茶房 右門』さんで芋おこわにしようか、はたまた大方向転換で、さつまいもと並ぶもうひとつの名物・うなぎにしようか迷ったんですが、雨降りなのもあり、それほど混んでないのもあり、ココに決めちゃいました。
店先にかかる白のれんをくぐり――
トゥ~ス!!

                         「いやいや、〝かすが〟違いですから」
                         「ヘッ!!」

川越名物といえばさつまいも、というくらいですから、こちらのお店も芋にちなんだメニューが勢揃い。芋御飯も魅力的だったんですが、皆が選んだのは何故かしら芋そうめん主体の献立。

画像こちらS子さんが注文した「いもづくし」950円。この店の看板メニューです。
芋そうめんと冷やし芋ぜんざい、「梅のしずく」という名前の自家製梅ジュース付き。
ん~……こうして見ると、冷たい物ばかりですねぇ。
ちょっと肌寒い今日という日には、チト厳しい選択じゃなかったですか?
せめて、ぜんざいぐらいは温かくあって欲しかったかなぁ、と。
まぁ……完食してらっしゃいましたけど(笑)




画像K隊員が注文した「まんぷくランチ」780円。
たぬきそば風に仕上げた芋そうめんと、素朴な焼き団子のセット。
醤油味の焼き団子と、海苔を巻いた磯辺焼き風の2本。川越だから芋団子――という訳じゃないんですが、お茶屋さんの本来あるべき姿というか、あるべき味ですよね。








画像こちらが、ワタクシとY隊員が注文した「つばさ膳」。芋そうめんと特製とろろ御飯のセットです。
写真には写ってませんが、さつまいもアイスがデザートに付いて880円。
つい先日終わったNHK朝の連続ドラマ『つばさ』、舞台が川越だったってのが影響してるんでしょうが……何でもかんでも『つばさ』付けりゃいいってもんじゃないと思うんですけど。
芋そうめんが素朴なら、とろろ御飯も素朴。






芋そうめんは、小麦7に対してサツマイモ3を混ぜた麺で、コシの強さとのどごしの良さが特徴だそうですが――そんなにそんなにイモっぽさを感じませんでしたねぇ。〝芋そうめん〟と言わずに普通に出されたら、普通に食べちゃって、後から言われても「あ、そうだったの?」と気付かないくらい。色もそんなに黄色くもなかったし、甘くもなかったし。なんか言葉のイメージと違い過ぎちゃって、拍子抜けしちゃいました。
でも、デザートのアイスは、見た目は普通のバニラアイスなのに、口に含むと「ん! こりゃあイモだわ」と口に出しちゃうくらい、後味にサツマイモの甘さがほんのり残るアイスでした。
こぉ~れは絶品だわ。

腹ごしらえも終わったところで、さらに散策がてら土産物探しを。
だって、川越土産が駄菓子だけじゃ淋しいでしょ?
という訳でのれんをくぐったのが、天明3(1783)年創業・川越藩御用達の菓子処『亀屋』さん。名物ともなるどら焼き〝亀どら〟は、ただ亀の甲羅を模しただけじゃなく、ちゃんと手足もあれば頭やシッポもあるという、何ともユニークで可愛らしい形。「お買い上げ下さる皆様が健康で長寿でありますように」という願いが込められているんだとか。
定番の「つぶあん」「こしあん」の他に、「黒豆きなこ」や白餡に柚子風味の味噌を混ぜた「ゆずみそ」、しそ梅餡に刻み青梅を入れた「霧うめ」など様々な味を揃えています。また、季節限定の変わり餡もあって、この時期は秋の味「りんご」。
皮はふわっとしていて、餡の甘さも控えめで上品な味。これで1個137~168円(種類によって違います)ってのも嬉しい値段。
うん。お土産はこれで決まり!――て、誰に買ってくつもりしてんでしょ?

蔵造り通りから路地を一本奥へ入りまして、ふと路地の向こうを見ますと、門前に何やら人だかりが。気になって行ってみますと、露天商が出してるアクセサリーの上にどっかり鎮座まします猫様2匹。そして、それを撮りまくっている俄カメラマン。商品になんかまったく目もくれず、ひたすら猫様撮影会に熱中しています。
門をくぐると、古民家のような建物に続く庭先に猫、ネコ、NECOのオンパレード。
こちら『陽気遊山』という無料休憩所――なんですが、川越では知る人ぞ知る猫スポットなんだとか。傍らにあった看板を見る限り、どうやら天理教の教会らしいのですが、まったくそんな感じしませんねぇ。なんか施設として放棄したっぽい雰囲気です。「誰も使わないから、せめて無料休憩所にでも」って感じがしなくもない。人の手があまり入らず荒れ放題って感じも。
ここに集まってくる猫たち、人に対する警戒心がないというか、まったく動じないというか、

     「あ? 何? 触りたいの? あぁ、勝手にしたら。アタシらも勝手にするから」
     「え? 写真? あぁ、勝手に撮んなさいよ」

みたいな感じなんです。
で、それに甘えてコチラがカメラを向けてたりすると、

     「ハイ、ちょっくら御免なさいよぉ……はぁ~、どっこいしょ。と」

みたいな感じで、人の膝の上にのそのそ這い上がり、どっしり落ち着いちゃうんだから。
も、どこまで自由なんだ、キミらは?てなもんです。
頼むからソコ、どいてくんないか? 動けないんで困ってるんだが。

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          姉さん方、営業妨害スよ?               可哀想に片目が…… 「独眼竜だニャア」

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            ぷるぷる、ぷるぷる。                    「目線、こっちでいいかニャ?」

この猫ら、基本的に野良らしいのですが、こんなにも人を警戒しない(つーか、こんなにも勝手気ままな)野良もいないんじゃないかと。
まぁ、勝手気ままだからこそ野良なのかもしれませんが。
で、実は門のところに一匹の犬が飼われてるんですが、これだけたくさんの猫が集まってきてるのに、別に動じる事もなく

     「あ、また来たの? ふ~ん。あ、そう」

とでも言いたげに、まるっきり関心を払わない。
……何でしょうねぇ、この空間は。
まるで都会の喧騒の中にポッカリと開いたエアポケットみたい――ま、川越の街自体が、都会の喧騒とは無縁の地なんですけどね。
放っといたら、人までがまったりした空間の中に身を委ねてしまいそうです。


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