例えばこんな夕餉

セイコーの時計がシチズン(7時)をお報せします。
ポッポッポッ……ポ~ポポポポポ ポ~ポポポポポ ポ~ッポ~ッ♪
……鼠先輩はいいから。
気を取り直して。
時刻はもう夜の8時半です。
宿で一息入れて、「さぁ~て、メシでも……」と思って外に出たら、もうこんな時間ですよ。も、どこで何を食っていいのやら。
だからって、わざわざ長崎まで来て、ファミレスだ吉野家だココイチだってのはイヤだなぁ~。
讃岐屋、結構ワガママです。


画像さんざん歩いて(電停3駅分は歩いちゃいました)、やっと入ったのはJR浦上駅そばの、和食割烹『ひぐち』浦上本店さん。
いわゆる〝昼は食堂、夜は居酒屋〟なお店で、ここ長崎地方では、いくつもチェーン店を持つ有名処らしいです。もっとも、有名なのは飲食部門よりレジャー部門のようで、コチラのお店もパチンコ屋と隣合わせでした。
で。
まぁ、入った時間も時間だし、入った店も店でしたので、〝ゴハン〟ってより〝一杯引っかけて〟てな献立になっちゃいました。
例えば、串焼きセット。
例えば、豚チーズはさみ揚げ。
例えば、鳥ささみ肉と茄子の和え物。
ほとんど酒の肴です。
これはもぉ不可抗力って事でいいですね?
いいです。
はい、わかりました。
画像そこでお目にかかったのが、島原名物〝具雑煮〟であります。
醤油すまし仕立てのスープに、鶏肉や海老、ごぼう、長崎白菜(白菜ってより青梗菜に近いです)、椎茸、人参、蒲鉾などの具材が豊富に。そこに丸餅が入るという、島原地方の郷土料理です。
歴史は江戸・寛永年間、世に名高き〝島原の乱〟にまで遡ります。島原一揆軍総大将の天草四郎時貞が、約3万7千人のキリシタン信徒らと原城に籠城した折、山や海からいろいろな材料を集め、そこに蓄えてあった兵糧餅を入れて雑煮を炊き、栄養を摂りながら約3ヶ月も戦った事に由来します。
それだけ島原という場所は、山海の珍味が豊富で、しかも手軽に手に入る所なんですねぇ。こんな料理があるんだもの、そらぁ幕府軍も手こずった訳ださ。
てなウンチクは置いといて……
(1とぉ~2とぉ~3とぉ~4とぉ~)
ご~はんだ ごはん~だ~ さぁ~食~べ~よ~♪

……幼稚園児か、オマエは(笑)
は? 肝心のお味の方ですか?
ん~……〝雑煮〟ってより、「寄せ鍋に餅も入れちゃったの」的な感じですね。
でもまぁ、悪くはない。不味くはない。つーか、ウマい!
これ、見るからに絶対ウマいに決まってるよね。
だって、寄せ鍋と餅なんだもん。不味くなり様がないじゃん。
コレ、シメで雑炊にしたいよね。
――いやいや、〝雑煮〟ってより、ほとんど〝鍋〟の食い方ぢゃん。

ともあれ、これで『光圀さん』のターゲット、また一つゲットだぜ!!
(まさか、それがこの旅の主眼ではあるまいな?)


ふと、メニューの中にやたらと「鯨」の文字が躍るのを発見!
鯨の刺身、鯨ステーキ、鯨大和煮に鯨ベーコン。
はたと気付く。
そぉかそぉか。ここは、食文化として鯨がまだ息づいてる場所なのか。
であるならば、これは頼まずにはおれまい。
こちとら鯨の赤身肉を「ゴジラの肉だ」と騙されて食い(確かにスジは多かった)、鯨の肝油ドロップをグニグニ噛みながら育ってきた世代じゃ。「鯨」と聞いちゃ食わずにおけるか!
てな訳で、鯨カツを所望。
赤身肉をサクッとした衣で揚げ……ん~、なんか物足りない。ガツンと来るモノがない。「鯨、食ったどぉ~ッ!」という感動がない。何ならちょっと固めなハムカツと言ってもいいくらいだ。
こらぁ、オーソドックスにステーキくらいを頼むべきだったか?
どうにも物足りなくて、「今日のオススメ」なる物を頼みました。
すると、出てきたのは何やら白くてチリチリした物体。これも鯨肉? なんか「しゃぶしゃぶです」だの「実は牛の網脂です」だのと言われても納得するようなシロモノです。
画像
コレわ なぁに?
お店のお嬢さんにおそるおそる尋ねてみると、〝さらし鯨〟という物だそうです。こちら長崎地方では〝おばけ〟とも呼ばれます。
〝お化け〟じゃありませんよ。「尾羽毛」と書いて〝おばけ〟――要は、塩漬けにしておいた尾ひれの肉を薄く千切りにし、湯にくぐらせたもの。平たく言えば〝尾ひれ肉のしゃぶしゃぶ〟ですね。酢味噌で食べたり生姜醤油で食べたりするそうなんですが、ポン酢で。
「鯨世代だ」なんて偉そうに言っておきながら、赤身肉とベーコンしか食べた事がありません。未知の食べ物(笑)おそるおそる口に運び……
あ。ウマい!
もっとグニグニしてるもんだと思ったら、意外とコリコリしてます。何でしょう、例えるなら〝鯨のサラダ〟ですか。
正直、もっとガツンとしたのを期待してたんですが、これはこれでいいかも。
この食感、好きですよ。



いやぁ~……ものの見事に堪能しました。
後は宿に帰って寝るだけ、と。

……あ。日本三大夜景の一つと言われる稲佐山展望台からの夜景、全然見ようともしなかったな。ちっとも気にしなかったさ。
ま、行ってたらホントに吉牛コースだったし、だからって、この時間からじゃ行ける訳じゃなし。何より展望台の営業時間も終わっちゃってるし。

もったいない事したカナ?

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