こんぴら舟々

せっかく石段を500段も上がってきたんですから、どうせならこのまま本宮まで上りましょう。
新茶所『神椿』から、社殿ゾーンへ向かう石段を振り仰ぎ……
画像
見てはいけない 見てはいけない……


意を決して、気合もろとも上り詰めますと(そこまでせにゃ上れんのかい!)、神仏習合の時代、金光院松尾寺の金堂として建てられた旭社があります。
画像二層入母屋造、銅板葺の堂々とした建物は、江戸・天保年間に建立され、国の重要文化財にもなっています。上層の屋根裏から建物の側面に至るまで巻雲や鳥獣、人物、花などの巧みな彫刻が施されており、しばし目を奪われます。
清水の次郎長親分の代参で、金刀比羅宮に詣でた森の石松は、あまりの豪華さに本宮と勘違いし、ここの参拝だけで下山してしまったという逸話があるとか。
まぁ、石松の気持ちもわからんでもないか。
かつて、ここには十一面観音像(現在は宝物館に展示)が本尊として鎮座してましたが、明治初期に神仏分離令が発布されて以降は、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)や伊邪那岐神(いざなぎのかみ)、伊邪那美神(いざなみのかみ)など9つの神様が祀られています。
本宮に参拝する皆さんは、先ずはここで最初の参拝を行います――本来は、最後に参拝するしきたりになってるそうですけど。

ここから本宮までは右回りで。
伊勢神宮など皇室縁の寺社から分祀された祠が立つ遙拝所を右手に見ながら先へ進むと、最大の難関・御前四段坂が登場。
画像
見上げてはいけない 見上げてはいけない……


よっこらしょと上り詰めた先に、荘厳な御本宮が現われます。参道入口からここまで785段!
奥社である巌魂神社へは、さらに583段(〆て1,368段)の石段を登る訳ですが……そんな気力も信仰心も持ち合わせておりまへん(笑)
本宮のあるこの高台からは、讃岐平野の絶景、そして遠くは瀬戸大橋まで望む事が出来ます。
画像さて御本宮。
祀られているのは大物主神。これに保元の乱(源氏と平家が争い、平家台頭の元となった戦い)が元で讃岐に流罪になり、非業の死を遂げた崇徳天皇が合祀されています。
金刀比羅宮が古くから海の守り神とされてきたのは、この大物主神が、遥か海の彼方から現われたからとか、古代には金刀比羅宮がある象頭山(琴平山)の麓まで入江が入り込んでいたからと伝えられています。そんな経緯を知らないと、「こんぴらさんは海の守り神」というのは知ってても、「こんなに海から離れてるのに、なんで海の守り神なの?」となってしまいます。
(現に僕がそうでした)
本宮の向かいには、極彩色に彩られた太鼓が奉納されている神楽殿があります。太鼓といっても、いわゆる太胴の和太鼓のようなものではなく、厚さのない太鼓です。イメージ的には銅鑼に近いですかね。
神楽殿の隣には、神札授与所を兼ねた社務所があります。ここで様々なお守りや神札が授けられます。さすが海の神様だけあって、「海上安全」「大漁満足」と書かれた大漁旗(これもお守り)があったりします。最近の売れ筋――お守りに〝売れ筋〟もないもんだ――は、「幸せの黄色いお守り」です。学業成就とか家内安全とか、何かに特定したものではなく、願い事全般。オールマイティー。トランプのババ。とにかく「これ持ってれば幸せになれますよ」的なお守りです。……アリか、そんなの。

本宮と回廊で結ばれているのが、三穂津姫社です。祀られているのは、その名が示すとおり、大物主神の后・三穂津姫です。
三穂津姫社の隣には絵馬殿があり、古くは江戸時代から現在に至るまでの、数多くの絵馬が奉納されています。絵馬といっても、おなじみ五角形の絵馬もあれば、額のような絵馬もあります。さすが海の守り神だけあって、海上自衛隊の護衛艦・海上保安庁の巡視艇から漁船、タンカーに至るまで、船の写真を額に収めて、航海の無事を祈って奉納されています。当然、昔は写真なんてありませんから、船を描いたものもあれば、お多福、七福神、宝船などのいわゆる〝縁起物〟が描かれている絵馬もあります。
風俗学・民俗学上でもなかなか興味深いものがあります。
堀江健一さんが1996年、アルミ缶リサイクルで作ったソーラーパワーボートで太平洋単独無寄港横断を達成しましたが、その時のボートも奉納されていました。
中にはこんな異色の絵馬も。
画像画像



















いや、確かに宇宙船も「船」には違いないだろうけどさぁ……どうなのよ、コレ?

下山の際は、三穂津姫社向かいの下向道を下ります。これもまた長い急な石段を下りて行く事になります。下り着く先は旭社の脇。
後は、登って来た石段を下りて行きます。
よく「上りより下りの方がキツい」と云われますが、確かに膝にキますね。足取りもしっかりと、慎重に下りて行きましょう。ちょっとでも気を抜くと、こうなってしまいます。
画像
そぉか そぉか こういうオチかぁ……(笑)


この記事へのコメント

2007年11月16日 00:27
えー、謹んでご辞退申し上げますm(_ _)m

とゆーか、ムリでしょ。
ここは、ゼヒ、燃え尽きるまでがんばりたいところですが…もう燃え尽きちゃってます。ハイ。
一応、第一線からは身を引いた身分ですから…

お許しを~!!

お代官さまぁ~っ!!

この記事へのトラックバック