おゝ、タカラヅカ♪

「休みの日には天気が悪い」という〝マーフィーの法則〟(なのか?)にドップリ嵌り、休みなのにどこにも行けず、家でジッとしとかなきゃならない日々を過ごしておりました。
「強風の為に瀬戸大橋線が終日運休って、ンなのアリかい!」
という心の叫びもむなしく、『18きっぷ』の使用期限は刻々と迫ってきております。
……は? JRがダメでもフェリーで渡りゃあいいだろうって? 
はいはい。御説もっともなんですがね。
荒天の影響は瀬戸大橋に限らず、どこもかしこも軒並みノロノロ運転でして。
何でしょう、1回ケチ付いちゃったら気力が失せちゃうといいますか、そのままフテ寝&ウダウダしてたら夕方で、「今さらどっか行く気分でも、時間でもねぇよな」と、相変わらず荒れっぱなしの空模様を恨めしく眺めて――
「このままでいいハズがない!」と一念発起!! ありがたい事に、天気もマズマズですよ。
てな訳で、まだ1回しか使ってない『18きっぷ』を握りしめ(ホントに握っちゃダメよ)、ようやく念願の〝のらり旅〟に出発ですよ。
今回はドコ行こうってんでしょうねぇ――て、タイトルでバレバレなんですが(笑)

あい。言うまでもなく、です。
どう頑張っても残り3日で4日分を使うのはムリです。
〝18きっぷの余らせ名人〟讃岐屋の本領発揮って事でいいですね?
……チェッ。


JR福知山線(尼崎-新三田間は〝宝塚線〟と呼ぶそうですな)に乗り、宝塚下車。時間にして20分ほど。
あの忌まわしい事故現場跡も通ったんですが、マンションはすっかり跡形もなくなっていて、どこがそうなのかさっぱりわかりませんでしたな。警笛くらい鳴らすかと思ったら、何事もなく素通りだし。こうやって事故の事も風化してしまい、いずれ皆の記憶からも消え去って行くんでしょうな――て、せめてテメェらだけは忘れんなや、JR西日本!
JR宝塚駅からペデストリアンデッキを渡って、阪神電鉄の駅をブチ抜き、ショッピングモールを案内表示に従ってテッテカテッテカ突っ切ると、〝花のみち〟という遊歩道が続きます。
〝花のみち〟と名付けられるだけあって、両脇には数多くの花壇やポッドが設えてあって、色彩豊かな花たちが咲き乱れ……るんだろうな、春になれば。
いかんせん、今は冬ですからね。何も咲いておりません。カラフルなのは、途中に架かるアーチくらいなもの――葉ボタンくらい植えときゃいいのに。
画像で、しばらく続くこの遊歩道の先には。
「宝塚といえばココ!」てなもんで。
ヅカファン憧れ、宝塚歌劇団の殿堂・宝塚大劇場!――には目もくれず(笑)、まだその先に進みます。
ははは、タカラヅカ台無し。したって、仕方ないっしょや。さほど興味ないんだもの。
「〝帝国歌劇(華撃)団〟だったら見に行くぞ」などとぬかす輩を僕は知っている(笑) ……すまん、Y。オイラ、『サクラ大戦』しっかり見た事ねぇわ。
マンションや店舗など周囲の建物も、タカラヅカ・カラーに合わせるように、壁の色がベージュ系だったり南欧風の外観だったりしています。
こういう街づくりっていうか、イメージづくりって大事だよね。この街を――つか、タカラヅカを訪れる人にとって。
そこだけが周囲からあまりに突出してると、物凄い違和感を覚えてしまうものです。できたら〝夢のパラダイス〟は、駅を降りた時から始まっていて欲しい……なぁんて思うんでしょうね。〝夢見るオトメ〟の皆さん(年齢制限ナシ)にとっては。
ま、僕は〝夢見るオヂサン〟じゃないので(笑)
画像宝塚劇場の横を通り過ぎ――て、エラくデカいのね。宝塚劇場って。ま、宝塚音楽学校も同敷地内にあるんだから、デカくて当然なのかもしれないけど――少し行きますと、虹色に輝く壁面も心踊る『手塚治虫記念館』があります。
はい。今回ののらり旅、最初の目的地はココです。
正面入口には「火の鳥」のモニュメントが待ち構えます。足元を見ると、さながらハリウッドのように、手塚キャラの手型や足型のブロンズ・タイルが敷き詰められています。
館内に入ると、早速アトムがお出迎え。入場料500円を払って、常設展示室へと足を進めます。
常設展示室では、手塚治虫先生の生い立ちからマンガ家としての歩み、その生涯、手塚先生が残した数々の遺産について展示されています。
普通の展示資料館なら、何の変哲もないガラスケースの中に、数々の展示品がある意味整然と、ある意味無造作に並べられているものですけど、さすがは手塚先生の記念館。ズラリと並ぶ未来的なカプセル(『火の鳥』に出てきた生命維持装置ですね)を模したショーケースの中に、手塚先生ゆかりの品々が細かなテーマに沿って展示されているのです。
その外観にワクワク、展示品の一つ一つにワクワクな訳ですよ。常々「マンガというものは夢がなくちゃいけない」と言っていた手塚先生の、その言葉を具現化すると、ただの展示室もこうなりますという実例ですね。何時間いても飽きないです。
手塚マンガのキャラクターといえば、殊に有名な〝ヒゲオヤジ〟ですが、実は中学生の頃に描いた作品にはもう登場していたとか、正体は友人のおじいさんだったとか、実に興味深い展示物ばかりです。
画像手塚先生が残した遺産。
物事を俯瞰で描いたりアングルを変えたり(ズームやパーン等)といった映画の制作手法を取り入れたり、アシスタント制や分業制、一度使ったセル画を何度も使い回しにするバンク制などなど、今のマンガやアニメの世界では常識的な、ごくごく当たり前な事柄のすべてが、手塚先生の作り上げた物なんですね。
モチロン、藤子不二雄や石ノ森章太郎など、数多くのマンガ家を育てたのは言うまでもありません。
手塚先生に憧れてマンガ家になった諸先生に、次の世代が憧れてマンガ家になり、また次の世代が憧れてマンガ家になって行く――
手塚治虫という一粒の種が、数多くの幹や枝葉を伸ばし、やがて現在の日本のマンガ・アニメ世界という大きな樹となった――まさにそんな感じを、ひしひしと感じられる展示室です。
そして、その手塚世界が結実した大きな実の一つを体感できるのが、続くミニシアターです。「アトムビジョン」と名付けられたこのミニシアターでは、夢のあるオリジナルアニメが上映されます。『デスノート』もいいけど、本来のマンガ・アニメはこうでなくちゃ。

2階は企画展示室。
この日は映画『どろろ』が公開されるとあって、「どろろ展」が催されていました。
原画やまだ白黒だったアニメを通じて、『どろろ』の世界を紹介した上で、今回初の実写映像化となった映画で使われた衣装やデザイン画なども展示されていました。発表から40年の時を経て、今なお色褪せない手塚先生の作品には、本当に感動と驚きを禁じ得ません。
「妻夫木聡と柴咲コウだろ? いくら手塚作品とはいえ、あんまり見る気しねぇなぁ」
とか思ってたんですが、ちょっとくらいは見てもいいかなぁと思えてきました。
企画展示室を抜けると、ショップとライブラリーがあります。ショップでは、この記念館ならではのグッズが数々販売されています。ライブラリーには、海外版を含む手塚先生のマンガや関連図書があり、自由に読む事が出来ます。また、フロアの中央にある情報検索機では、アニメ作品も見る事が出来ます。
その奥には『ジャングルカフェ』と名付けられた喫茶コーナー。『ジャングル大帝』の世界をモチーフにした喫茶室で……落ち着くんだか落ち着かないんだか(笑)

生命維持装置型のエレベーターで一気に地階へ。
画像土日ですと、隣接する英国風庭園『宝塚ガーデンフィールズ』へ出られる出入口があるんですが、今日は平日という事で閉まっています。
地階にはアニメ工房があり、コンピューターを使ってのアニメ製作体験が出来ます。壁面には、いかにも機械的・未来的なモニュメントを交えながら、アニメの歴史や手法が紹介されています。
しかし……未来というには、あまりにアナクロチック。手塚先生が描いた未来予想図を、現実世界はある部分で早々に実現させてしまっていて、「あぁ、現実は手塚世界を追い抜いてしまったんだなぁ」と思うと、何やら悲しくなってしまいました。思えば僕らが描く未来像の先には、常に手塚先生が描いた未来像がオーバーラップされていた訳で。手塚作品の中で描かれてきた高速道路の立体交差や、リニアモーターカーなどなど、既に現実世界に存在しているものを見てしまうと、追いついて欲しいけど、いざ追いついてしまうと一抹の寂しさを覚えてしまうものなんですねぇ。
僕らはこれから先、どんな未来を描いて行けばいいんだろう。
というよりも、手塚先生の手を借りずに、僕らは僕らなりの未来像を描かなきゃならない時期が、もうそこまで来ている――いや、もっと以前に来ているんだけど、それを見ようとして来なかったんじゃないだろうか。
「今時、こんな磁気テープを使ったコンピューターや、こんなデッカなアナログメーターはねぇだろう」なんて思ってると、奥で作業中の手塚先生にジロリと睨まれますよ(笑)

大人も子供も楽しめる、何時間いても飽きない、何時間でもいたい夢の空間です。
いつまでもこうしていたいんですが、そろそろ現実に戻らなければ。

現実って?

はい。日頃の疲れを温泉の湯で流そうかと。
これより第二の目的地、関西の奥座敷・有馬温泉へ向かいます。

ありまぁ……

ダジャレ締めってかい……_| ̄|○

この記事へのコメント

2007年01月27日 00:45
いや~、懐かしいなぁ。
以前、宝塚のコミュニティFMで働いてたので、
見た事ある景色ばかりでした。
よく歩いた。。
「花の道」
あの辺は震災でえらく被害を受けたそうです。
で、復興して、キレイになったと
宝塚に住む仕事仲間から聞きましたよ。
お向かいのファミリーランド(通称ファミラン)が
閉園になっちゃって、ちょっと淋しいですけどね。
讃岐屋
2007年01月27日 00:53
ファミリーランド跡地は、住宅展示場になってましたね。
「住宅展示場に、なんでメリーゴーランド?」と不思議でしたが、そぉかそぉか、遊園地(でいいの?)だったんですねぇ……

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