トリオ de のらり旅 ―四国さん最後の試練―

いよいよ彼らが帰る日になりました。3泊4日――短い合宿でしたね。
聞けば、帰りも深夜バスとか。なかなかに〝強の者〟です。
アナタ方ね、何を好き好んでそんな荒行を……(笑)
で、この大事な最終日に、ワタクシめは仕事でございます。
ですんで、ワタクシめが出勤中、彼らには自由行動としてもらいましょう。
まぁ、なかなかに詰め込み過ぎな感もある日程をこなしてきたんで、せいぜいがお土産品買うくらいでしょう――なぁんて思ってたら、彼らの(つか、Y君だけですが)行動力を侮ってました。

「小豆島ぁ? 行ったのォ? ホントにぃ?」
Y、あっさり答えます。半信半疑でしたが、彼のデジカメを見ると、そこに写ってるのは確かに小豆島・土庄港。ギネスブック公認の世界一狭い海峡・土渕海峡(幅7m!)も写ってます。
ある意味、今回一番四国旅行を楽しんだのは彼だと思いますよ。
その間、Kは、ワタクシ所有のDVDをセッセコ焼いておりましたとさ。
さて、山越のうどんで出迎えたからには、帰る時は山田家のうどんでお見送りしましょう。これにて〝どうでしょうコース〟おしまいです。高知の『いろりや』は、そのうち自分で行ってもらいましょう。
旧11号線を東に。屋島を過ぎ、八栗方面へ左折。コトデン八栗口駅手前の踏切を渡り、案内板に沿って進みます。日中ならば映画『世界の中心で愛を叫ぶ』のロケ地巡りをしてもいいんですが、夜ですし、彼らが乗る深夜バスが出るまで2時間ちょっとしかありません。
八栗寺へ向かう坂の中腹左手、昔ながらの造り酒屋風の店構えが見えてきます。ここがうどん本陣・山田家です。入口に吊がる大提灯が印象的です。
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建物は母屋と離れに分かれています。
母屋はテーブル席と、庭に面した座敷に分かれています。
蘇鉄や季節の草木を中心に、整然と手入れされた庭を見ていると、それだけで心落ち着く、贅沢な時間を過ごしている気になれます。ただ、うどんを食べて、そのまま帰ってしまうのは勿体ないという気にさせてくれます。
その庭を間近に眺めながら食べられる庭席もあります――といっても、峠の茶店のようなベンチがあるだけですけどね。
離れは全席テーブル席。
そんな訳で、店の混み具合と好き好きによりますけど、僕は庭もうどんも楽しめる座敷をお薦めします。
山田家で注文するうどんといったら、やっぱり「ざるぶっかけ」か「釜ぶっかけ」でしょう。
モチロン、他のうどんも大変美味しいんですが、これを食べないと何だか山田家に来た気がしないのは何故なんでしょうね。もっと人数が多くて、夏真っ盛りじゃなかったら「うどんすき」も食べてみたいんですけどね。
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「釜ぶっかけ」は釜から上げたそのまま、「ざるぶっかけ」は冷水でキュッと締めた麺に、天かす・白胡麻・生姜・下ろし大根・万能ねぎ・レモンの薬味を載せ、そこへ秘伝の出汁をかけていただきます。「釜ぶっかけ」は麺のモチモチ感を、「ざるぶっかけ」はシコシコ感を味わう事ができ、どちらも捨てがたいものがあります。出来るなら両方味わいたい!

で、昼飯時に次いで混雑する夕方にノコノコ出かけてきてしまった我々(まぁ、仕方ないっちゃあ仕方ないんですが)、離れの方に案内されました。
黄昏時の次第に暗くなってゆく景色を眺めながら、注文した品を待っていると、突然、ブンッという音と共に照明が消えました。騒然とする店内。
「停電か!?」
と、そこへ店内アナウンス。
「電気設備の故障で、店の一部で停電が起きております。お客様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、今しばらくお待ち下さい」
……電気設備の故障ですと。エアコンの使い過ぎですか?
「店の一部」って事で、母屋の方を見てみると、あちらは煌々と点いております。
さぁ、それからが大変。
客はザワザワしてるし、店員はアタフタ。何せ電気が通ってないから、レジも使えません。精算は母屋のレジに集中します。で、こういう時に限って客の入れ替えとぶつかってしまいます(別に入れ替え制とか云うんじゃありません。先に入ってたお客さんが食べ終わって、店を出るのがだいたい重なるから、あたかもそう見えるだけです。回転が早いんですよ、うどん屋って基本的に)。舌代を払うだけなら、さほど問題にはならないんですが、お土産用のうどんを買い求める人や、宅配便を頼む人で混雑が始まってます。
「大変ご迷惑をおかけしております。申し訳ございません」
店員さんが持ってきたのは、非常用のローソク。
本当に〝非常用〟だったんでしょうね。常備のローソクというよりは、仏壇のお燈明。それを湯飲み茶碗に立てて持って来ました。その灯りに照らされた店内は、まるでキャンドルサービス(笑) 誰からともなく「ハッピーバースデー」が(爆)
「せっかく大阪から来たのに、これじゃ食べた気がしない。席を替えてくれ」
とゴネる客にも、
「申し訳ありません。今、どこも満席でして、席が空きましたらご案内します」
としか答えられない店員。それ待ってるうちに食い終わるよ。
さすがハプニング馴れしてる我々(馴れたくないけど……)、悠然とどころか、この状況を楽しんじゃってます。
「やるなぁ、四国さん。最後の最後で、こんな大仕掛けを持ってくるとは」
「ある意味、いい思い出になったよな」
ポジティブな友人を持って、僕ァ幸せです。
ローソクの灯と月灯りに照らされながら食べるうどんも、なかなかオツなものでした。何だか〝闇鍋〟に近い感覚がありましたね。かえって、それぞれの味が強く感じられて、いつもよりも美味しく思えたりして――負け惜しみじゃないですよ(笑)
レジで精算を済ませ、さて店を出ようかという時に、ブンッという音と共に復電。
「まぁ、そんなもんだ」
噛み殺したはずの笑いは止められませんでした。

ちょうどこの日は、『高松まつり』の中日、5,000発の大花火大会『どんどん高松』の日でした。
建物の陰に見え隠れする大輪の華。その昔、専門学校の学校祭で実行委員を務めていたワタクシ、安全用のヘルメットをかぶりながら(当時は「校内一ヘルメットが似合う学生」と呼ばれてました。「ただ、メットの色が違う」とも。……迷彩色ッスか?)、頭上で炸裂する花火に見惚れていた事を、ふと思い出しました。
「高松さん、盛大にお見送りしてくれてるなぁ~」
まぁ、そんな状況に付きものの大渋滞がございましたけど、車窓越しにずっと見えてましたので、「人込みに紛れて見るよりは楽でいい」なんて言ってくれたのには助かりました。
「今年最初の花火を、まさか四国で、しかもこんなに大きく見れるとは思わなかった」



そんな数々の思い出を胸に、彼らは元気に深夜バスで旅立って行きましたよ。わざわざ四国にやって来たのに、四国をたいして見ない旅だったのに。
来月、渋谷PARCOで開かれる『どうでしょうEXPO』の為に、今度は僕がお邪魔する事になってます。

ん~と……
ひとつ、怖くて彼らには聞けなかったんですけど……

     一緒に来た〝目に見えない御方〟、
     一緒に帰ったんだよねぇ……?





この記事へのコメント

2006年08月27日 01:34
ほほぅ・・・予告つきで上京されるとな・・・
よかろう。
何かお見舞いして差し上げねば・・・ふっふっふ。
あ、でも3連休の時期は日本にいない・・・

大丈夫。
きっと讃岐屋さまなら、そんな自ら自分の首を絞めるような真似は・・・しそうだな・・・藩士の鑑たるお方だからきっとドMに違いないし(爆)

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