トリオ de のらり旅 ―しまなみ・尾道・タコの味―

しまなみ海道も半分を渡りまして、多々羅大橋から先は広島県に入ります。シトラス王国・生口島に上陸。時計は午後1時をまわりました。
生口島南ICで降りまして、周囲わずか30㎞程しかない島内を時計回りに回って行きます。
瀬戸内と聞くと柑橘系果実、それもミカンを思い浮かべがちですが、生口島はレモンで有名です。国産レモンの大部分は、ここ生口島産のものです。以前訪れた時は、たわわに実るレモンを見る事ができたのですが、今回は時期的に収穫が終わってしまったのか、実が成っているのはお目にかかれませんでした。ですが、家々に植えられているのは明らかにレモンの木です。「レモン谷」なんて地名があるくらいですから。
どうしてもお目にかかりたい方は、生口島南ICから程近いところにある『シトラスパーク瀬戸田』という観光施設へ行ってみて下さい。入園無料のこの公園は、世界各地の約600品種に及ぶ柑橘類を栽培・展示する、わが国初の柑橘公園です。
なれど我々、残念ながらそんな場所には目もくれません。我々はホラ、タコしか眼中にありませんから(笑)

椰子並木が続く海岸線を行くと、800mも白い砂浜が続くサンセットビーチに出ます。その沖合には、『ひょっこりひょうたん島』のモデルになったといわれる無人島、その名も〝ひょうたん島〟があります――あの人形劇のように、勝手に走り出したりはしませんけどね。
そして目につくのが、島のあちこちに点在する様々なモニュメント。「島をまるごと美術館に」という発想から生まれた〝島ごと美術館〟構想の一環だそうです。そんな予備知識がないと、「あれは何?」になってしまいますね。
瀬戸田本町に入ると、ようやく商店街など活気溢れる街並に出会えます。ここがなかったら、柑橘農家が点在する、ただの田舎の島ですから。のんびりムードに騙されちゃいけません。
本町は、〝西の日光〟ともいわれる耕三寺の門前町でもあります。
駐車場に車を停めて、耕三寺を目指します。
画像耕三寺――うわぁ……。
駐車場のすぐ前に建つ御堂……これ、御堂じゃなくて城ぢゃん!
続く山門も、どれも極彩色の世界。「極楽浄土を想わせる」と紹介されてますが、Kいわく
「これじゃ『少林寺三十六房』だって……」
悪いけど納得(笑)
正門をくぐり、蓮の花が咲き乱れる池の畔に券売所。……入場料1,200円も取るんですってよ! 拝観料じゃなく入場料!
「……どうするぃ?」
「パス!」
即答でしたな(笑)
日光東照宮の陽明門をそっくり模した孝養門や、飛鳥から江戸時代にかけての代表的仏教建築の様式・手法を取り入れて復元された伽藍の数々が点在するという事で、「お寺ってよりはテーマパークと考えりゃ、一度くらいは見といていいかなぁ~」と僕は考えてたんですが、二人はすっかり意気消沈した模様。
もう少し普通のお寺然としてりゃ別ですが、あまりにも予想に反した出で立ちにガッカリ。入る気も失せてしまった、と。それに輪をかけての入場料。Kに至っては「寺に参拝するのに金取る時点で、門前払いを食らわせているようなもんだ」と御立腹。こんなトコに御利益はないと即断したようです。
まぁ……どこだかの社長が、亡くなった母親の菩提を弔う為に建立したってのが、開山の経緯ですからね。

画像耕三寺の向かいには、たこ料理の店がズラリと並びます。
どうでしょう藩士ならば、目指す店は『サイコロ6』でどうでしょう班も立ち寄った
蛸の憩処 たこ八
じゃないッ!
蛸処 憩
でありますッ。
こちらのお店、周囲に比べて随分と小じんまりした店構えです。どうでしょう班、どうしてこの店を選んだんでしょう?――て、あれは『るるぶ』を見て決めたんでしたね。
営業は11時~15時(水曜定休)。外見があぁですから、店内もそれほど広くないです。テーブル席が4つばかしと小上がりがあるだけ。
Kはたこ天丼(1,260円)を、僕とYはたこめし定食(1,890円)を頼みました。ちょっとばかし値が張りますけどね。
画像画像














たこめし定食には《華》と《雪》があって、《華》は蛸の刺身が、《雪》は蛸の天ぷらが付きます。値段はどちらも同じですので、お好みでどうぞ。僕らは蛸天も楽しみたかったので、《雪》を頼みました。
まずは蛸天。
あ、んまい。
程よい弾力とコリコリした食感。もぉいくらでもイケますよ。
たこめしも、蛸の味が程よく染みていて、身もちょうどよい固さ。
下手なたこめしに当たると、味がさほど染みてないか、出汁や醤油の味が強すぎて、せっかくの蛸の風味が消えてしまっています。身もパサパサしてたりゴムのような食感だったりしますけど、ここのはぜんぜん違います。さすが本場のタコ。さすがタコ料理の名店。
酢の物も、付け合せの練り物も絶品です。すまし汁も漬物も食欲をそそる、いい塩加減です。
完・食!
耕三寺でのガッカリは、かなりリカバーできました。
大満足。ひさしぶりに上品で旨いたこめしを食べました。

生口島を半周、生口島北ICから高速に乗り、生口橋を渡って対岸の因島へ。右手遠くに因島水軍城を見ながら因島を抜け、因島大橋を渡り、向島へ入ります。
しまなみ海道の本州側入口は西瀬戸尾道ICですが、向島ICで一旦料金精算になります。
向島の尾道側、日立造船の向島工場には、春先まで映画『男たちの大和』のロケセットが組まれていました。今はもう跡形もありません。残念。
新尾道大橋を渡り、いよいよ本州入り。西瀬戸尾道ICをそのまま降り、尾道バイパスを通って尾道駅前を目指します。
生口島でタコを堪能したばかりだというのに、尾道ラーメンをいただこうという魂胆です。
胃袋、穴開いとんちゃうか!?
まぁ、さすがにすぐには入らないという訳で、繁華街を散策する事に。大和のロケセットが解体されても、写真なり土産品なり、何かしら残ってはいないかと探してはみたものの、CDショップでDVDの宣伝をしてるくらいで、何一つとしてナシ。一過性のブーム。映画も終わっちゃえばこんなもんなんでしょうか。映画で町興しを考えてる尾道にしては、ちょっと残念。大林宣彦作品だけが尾道映画じゃないはずだ。
画像街を見下ろす高台、千光寺の境内そばに尾道城が建っています。
苔生す石垣。三層白壁の天守閣は、やはり一際目立つのですが、隣に建っているホテルのせいで、どうしても〝ホテル別館〟という感じは否めません(笑) 尾道城に悪気はないんですけどね。
さて、魚ダシと背脂が特徴の尾道ラーメン。
以前食べた事のあるラーメン屋を訪ねてみると、店構えも内装も全然変わってないのに、メニューからラーメンが消えちゃってました。
「すいません、ラーメン3つ」
「ウチ、ラーメンやってないんですよ。カレーならあるんですが」
……あれぇ?
二人からは「変だなと思ったんだよ。メニューにないからさぁ」のお言葉。
……早く言ってよ。
結局、近くの別の店で食べたんですが、何か違う感じ。二人は尾道ラーメン初とあって、「ナルホド、こんな味なんだぁ」と感心してましたが、僕としては空振り。
違うんだ。こんなんじゃないんだ。もっとダシが利いてて、もっと背脂が浮いてて……高松サンポート3階の『拉麺築港(ラーメンポート)』で食べる尾道ラーメンの方が、まだ美味しいとさえ思えてしまう。
二人には申し訳ない事をしました。せっかくだから、美味しいものを食べさせたかったのに。
ま、ピンからキリまであるという事で。


まぁそんなこんなで、福山西ICから山陽自動車道に乗り、時間があれば倉敷の美観地区なんかも案内したかったのですが、途中からまた雨が降り出しまして、そのまま岡山ICで降り、宇野港からフェリーで帰ってまいりました。
どうにも消化不良、尻つぼみ的ドライブでしたけど、二人が満足してくれたから、まぁいいか――てなもんで。
にしても、昨日といい今日といい……

雨男は誰だ!?
……あ、俺?



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