東讃のらり旅

方々〝のらり旅〟してる讃岐屋ではございますが、足元を見ておりませんでした。足元――はい、ちっちぇえ香川県です(爆)
足元を見てないってのは本家『どうでしょう』さんと同じ。だからといって『北海道212市町村カントリーサインの旅』よろしく『香川17市町めぐりの旅』なんてのはしませんよ(笑)
いえね、有名処は行ってるんですよ。瀬戸大橋だって屋島だって見に行ってるし、金毘羅さんだって、観音寺にある銭形の砂絵だって見てる。見てるけど――まだまだ見てない場所があるんですね。
特に東讃。さぬき市・東かがわ市(〝平成の大合併〟以前で云えば、津田町・大川町・志度町・寒川町・長尾町、引田町・白鳥町・大内町の8町)なんてのは、いつも素通りして鳴門や淡路島へ行っちゃいますもん。
よし、行こう!――てんで、車を東へと走らせました。

国道11号線を東進。八栗を抜け(ここで道を左に折れ、北上しちゃうと『山田家』さんに行っちゃうんですけど……さらば、ざるぶっかけ。また会う日まで)、志度に入ります。志度といえば、かの発明家・平賀源内が生まれた街であります。
画像入り組んだ町並を抜け、案内板どおりに一方通行の道を行くと、旧家跡の隣に『平賀源内先生遺品館』があります。入館料300円。駐車場はエラい狭いです。
この遺品館、印象としては「雑多ですなぁ」という感じです。あまりに手狭だし雑多な展示の仕方です。もう少し広い施設で、もう少し整理して展示すれば、なかなかいい資料館になったろうに。今の感じじゃ、村の郷土資料館だもの。「もう一度訪れますか?」と訊かれれば、「はぁ……まぁ……機会があれば……」と答えるでしょう。
もったいないです。
さて、平賀源内といえば有名なのはエレキテルとか「土用丑の日のうなぎ」とかいろいろありますが、館内にはよく知ってる物、初めて見る物、様々な発明品が展示されています。そして、源内先生の様々な面を紹介しています。学者であり、薬剤師であり、美術家であり、文芸家であり、鉱山技師であり……ただの発明家じゃなかったんですねぇ。いや、江戸を代表する発明家ってだけでも凄いですけど、ここまで多芸多才とは知りませんでした。
例せば。
今も上演され続けている江戸浄瑠璃『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』を〝福内鬼外〟(「福は内、鬼は外」てかい?)というペンネームで書いたのも源内先生ですし、秩父鉱山の開発に尽力したのも源内先生でした。
平賀源内の名を一躍有名にしたのが〝『エレキテル』の発明〟ですが、厳密には発明ではないのです。原型はオランダにあり、源内先生はそれを入手・復元したに過ぎないのです。源内先生の目論見としては電気治療機として大々的に売り出すはずでしたが、実際は見世物でしかなかったようです。
遺品館には、復元された『エレキテル』もあり、実際に電気を起こす事も出来ます。
ハンドルをクルクル回して静電気を溜めると、電極の先からパチッと火花が飛びます。蛍光灯を近づけると、一瞬ペカッと光ります。
ん~……拍子抜け。「え? こんなもんなの?」て感じです。もっとバチバチと火花が飛ぶもんだと思ってたのに、実際はパチッとかピチッとか程度なんだもの。
こらぁ源内先生、見世物と呼ばれても仕方ないですよ。


画像香川の最東端・引田は、昔から「風待ちの港」として栄える一方、江戸時代・文化文政期から醤油醸造が活発になり、引田醤油は全国にその名を轟かせました。太平洋戦争後、大手企業による醤油醸造に追いやられ、引田では幾つもの商家が廃業になりました。江戸期から今なお醤油造りを営んでいるのは、誉田八幡宮近くの「かめびし醤油」くらいなものです。
べんがら色の漆喰壁が一際目を惹く「かめびし屋」は、昔ながらの〝むしろ麹〟による醤油醸造を、今なお続けている醤油屋です。
醸造アルコールを一切加えていない、良質の国産大豆・国産小麦と〝讃岐三白〟の一つである塩だけで造られる醤油は、とても優しい味がします。
店の隣には「かめびし茶屋」があり、しょうゆアイスやみたらし団子などをいただきながら、昔ながらの豪商の佇まいを見学する事ができます。お茶屋であり、商家資料館であり、今なお営業を続ける醤油屋――それが「かめびし屋」なのです。
そして、忘れちゃいけないのは、ここがうどんの聖地・香川だって事です。
店の向棟、ちゃんとあります。うどん屋「かめびし屋」。
ここの名物は、醤油屋ならではのメニューである、もろみうどん。
黒くドロッとした見た目にしょっぱそうなスープですが、一口含むと、さにあらず。かえって清々しいまでの塩加減です。これが麺と絡み合うと絶妙です。見た目は何となく名古屋の味噌煮込みうどんにも似てますが、これがまったくの別物です。もちもちとした讃岐うどんならではの麺に絡み合うスープ。クセになりそうです。
スープの底に固まっている物体――ぱっと見、味噌や海苔佃煮のようにも見えますが、これが「もろみ」です。これを少しずつ溶きながら食べるのです。

( ゚Д゚)グラッチェ   by negi様(笑)

かめびし屋の、目が痛くなるほど赤いベンガラ壁を眺めながら路地を進み、突き当りを左に折れると、かつて酒・醤油醸造で栄えた佐野家(井筒屋)の屋敷が見えてきます。現在『讃州井筒屋敷』として、地域の観光拠点施設に生まれ変わりました。
営業時間は10時~16時。水曜日が定休日。母屋だけが有料で、平日250円(抹茶付)。土日祝日は見学のみ200円。お茶菓子が付いて350円。
訪れた日はお茶会が催されていた為、母屋の見学は駆け足でしたが(お茶会が始まるまでの間なら、という条件でタダで見学させていただきました)、さすがに豪商らしい大きな屋敷でした。
画像母屋を囲む土蔵群は、それぞれ店や催物会場として公開されています。
入口(南門)をくぐった左、母屋の向かいに建つ〝一之蔵〟は「ごはんや 醤(ひしお)」という和食料理店です。メニューを覗き込んで……高いです。松花堂弁当一つで1,500円くらいしてます。港町ならではの海の幸をふんだんに振る舞ってくれますが……高いです。安月給の身には覚悟が要ります……
隣の〝二之蔵〟はアンティークショップです。
その隣、二階建ての土蔵が〝三之蔵〟――1階は地元の名産品を展示・販売する「匠の物産館」。地元の陶芸家・漆芸家・木工家具作家6人によるアンテナショップです。2階は日本一の手袋の産地・白鳥ならではの手袋工房「風待ち工房」。世界に一つだけの手袋をオーダーできます。
〝与之蔵〟は「和楽座」という貸ホールです。
大きな庭を囲むように、長屋風の蔵が並びます。ここが〝五之蔵〟「楽市楽座」です。地元民芸品を売るショップがあったり、昔懐かしい駄菓子屋があったり。
「楽市楽座」の一番奥に『ちわわ屋』というチワワ専門のペットショップがあります。「く~ちゃん」が何匹もいますが、「お手を触れないで下さい」の貼り紙が。そして、覗いて行く人みんなが「何だ、〝ちくわ屋〟じゃないんだ」と呟いて店を後にします(笑) かくいう僕もその一人(爆)
大きな中庭には、醤油樽を利用したベンチがいくつかあり、なかなかの味を醸し出しています。

『讃州井筒屋敷』から伸びる路地も昔ながらの佇まいを見せ、旧郵便局を利用したカフェなどがあったり、なかなかいい雰囲気を出しています。
近くには〝讃岐三白〟の一つである和三盆糖を扱う『ばいこう堂』や『三谷製糖』があったり……



うんうん、東讃地域もまんざら捨てたもんじゃないじゃないですか。
灯台もと暗し。

この記事へのコメント

2006年06月29日 03:45
きれいですねー。いいところですね。
2006年06月29日 08:59
うーん・・・東讃地方も見所多いですねぇ。
今回の四国旅では通り抜けただけなんで、次の機会があればもっと時間をかけてみたい所です。などと尤もらしいコメントを付けながらも実は「もろみうどん」が既に脳内のかなりのエリアを侵食しております(笑)
字面から充分に美味そうな気配が・・・。

( ゚Д゚)グラッチェ

これはケーシー高峰ですね(おっさんだな
讃岐屋
2006年06月29日 21:06
>sakuragipoさま
さすがに桜の季節はとうに過ぎちゃいましたが、東讃地域、なかなかに見所満載ですよ。

>negiさま
んっふっふ。もろみうどん、目からウロコでっせ。うどんサミットの時にゃ、見事おみまいして差し上げましょう。
源内先生は……興味あったら案内しましょう。わざわざ行く程でもないですけどね。

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