神戸空港は〝使える〟空港?

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皆さんご存知の通り、2月16日、神戸空港――愛称〝マリンエア〟が開港しました。
これにより「関西圏3空港時代の幕開け」と大々的に宣言しておりますが(「関西3空港」って、じゃあ南紀白浜空港や但馬コウノトリ空港の立場はどうなる?てな文句は、どこからも上がる事もなく。「〝関西〟と〝近畿〟は違う」と割り切ってるんでしょうか)、肝心なのは、利用者にとって使い勝手のいい空港なのかどうかという点でありまして……
不詳……もとい、不肖この讃岐屋、実地検分して参りました。



まずは神戸市内からのアクセス。これは太鼓判を押します。
神戸市内と空港を結ぶポートライナーの駅は、JR三ノ宮駅東口から階段を上がった先にあります。そこから神戸空港行きに乗って18分。改札を抜け、ほんの数メートルの連絡橋を渡ると、そこはもう出発ロビーな訳です。
ポートライナーの運賃は320円と、とってもリーズナブル。便数も、快速含め毎時10分間隔で出てます。まぁ、快速に乗っても2分程度しか変わらないってのは大目に見ましょう。乗っても乗らなくても大差なし、という事で。
同じ〝関西3空港〟で比較するなら――伊丹空港の場合、大阪梅田からバスに30分揺られて620円。関西空港の場合、大阪なんばから南海電鉄で50分弱。運賃は890円。JRだと、大阪から快速で約1時間。運賃は1,160円。
まぁ、一概に比較検討は出来ませんが、このアクセスの手軽さと、何より雨に濡れないって事は、利用者にとっては嬉しい事なんじゃないかと思うんですけどね。
ただ……これはあくまで在来線利用の場合。新幹線利用の場合、新神戸駅から三ノ宮駅までのアクセスは、地下鉄やバス・タクシーしかありませんから、そこは割り切っていただかないと。
他にリムジンバスも運行されてますが、車内が狭いだの何だのってのを差っ引いたとしても、僕はポートライナーが一番お薦めできるアクセス方法だと思いますよ。


画像さぁ、連絡橋を渡り出発ロビーに入って……狭っ!
う~ん、確かに鳴り物入りでオープンした空港にしちゃ、ちょっと狭すぎるんじゃないかと思うんですがね。まぁ、「余分なものがないんでスッキリしてます」と云えば聞こえがいいんですがね。
入口真正面が出発ゲート。右手にスカイマークの出発カウンター。その隣がJALのカウンター。出発ゲートを挟んだ左手にANAの出発カウンター。団体客カウンターはANAの隣。
小じんまりしたターミナルに似合いの、至ってシンプルな造り。
まぁ、配置的には〝浮き島〟〝離れ小島〟みたいな気がしないでもないですけどね。
預かった手荷物、どうやって機内に運ぶんでしょう?

ANAカウンターの向かいには、銀行ATM。その隣にはトイレと授乳室。
トイレが秀逸。ユニバーサルデザインっていうんですか? 身障者用と多機能トイレは黄色、男性用は青、女性用は赤といった具合に、入口の壁全体で色分け表示されてます。これではサルでも間違えないでしょう。もし間違えるようなヤツがいたら、ソイツは「わざと」だって事です。

売店には、神戸ならではの品々(神戸ビーフ、神戸ワインetc)の他、「神戸といえばスイーツ」というだけあって、元町一番館やゴンチャロフなどの有名店のスイーツを各種揃えてます。ただ……場所が出発カウンターの裏側、出発ゲートの両隣なんですね。
この配置は失敗なんじゃないかと思いますよ。
パッと目に付くカウンターの向かい側にあるのは、本屋と田崎真珠の店。それと関西らしく吉本のグッズショップ。初めて利用した人は「なんだ。出発前に土産物でも買おうと思ってたのに、何もないじゃないか!」と御立腹なさるものと推察します。
で、チェックインを済ませ、手荷物も預け、いざ出発ゲートに向かおうとして初めてショップの存在に気づき、「何だよ、こんなトコにあるじゃねぇか。もう荷物預けちまったよ。嫌だよ俺、デッカイ荷物持って乗り込むの」とさらにご立腹なさるものと。
もうちょっとね、利用者の立場で考えて配置して欲しかったわね。

3階はフードコート。それと送迎デッキ。
困った事にですね、エスカレーターで上がった先が送迎デッキになってるんですわ。なので、混雑時は「俺はメシが食いたいんだっ!」つっても身動きが取れなくなる可能性も、なきにしもあらず。
店舗は、エスカレーターと屋上の展望デッキに上がる階段室の両側に分かれています。一応、和洋・イタリアンからカフェに至るまで、あれこれ揃えてます。
ここで注意しなきゃならないのは、「出発前に軽く腹ごしらえを」なんて思ったら、ここでしか食べられないって事。搭乗待合室の中にある売店には、軽食らしい軽食もありませんので、あしからず。


画像さて、それじゃ出発ゲートをくぐりましょうかね。
搭乗待合室は……ここも狭っ!
これはねぇ、なかなかにキビシイ状況ですよ。地方のローカル空港並であります。
出発カウンターの配置と同様、右手奥にJALのショップ『BLUE SKY』が、左手奥にANAのショップ『ANA FESTA』があります。どちらの店もそうですが、軽食といってもおつまみ程度のものしかありません。神戸らしく中華街直送の豚饅やちまき等があるんですが、遅い時間の便――午後6時以降の便あたりになると、すべて売り切れになってしまいます。
なので、フードコートをパスして「ここで軽く何かを」なんて考えてると、結局何も口にすることが出来ず、空腹のままのフライトとなってしまいます。で、着いたら着いたで到着空港のショップは揃って店仕舞い、と。
ほぉらね。だからフードコート紹介の時に「腹ごしらえはここでしましょう」と云ったんですよ。
何もこんなトコまで田舎空港っぽくしなくとも……
搭乗口は4つ。機内までは、すべてボーディングブリッジで案内されます。このボーディングブリッジ、梁毎に花なんかあしらってあって、なかなか細やかな心遣いを感じさせます。

出発があれば到着がある。到着フロアを紹介しましょう。
到着便から降りたら、搭乗待合室の前を通って1階の手荷物受取所へ。ゲートをくぐると、到着ロビーには何故か待合室並の椅子の列が。別にここに座ってたって何処へ行ける訳でもないのに。
ターミナルを出たすぐそこには、神戸市内や関西・中四国行きリムジンバスの乗り場があるんで、その待合室と考えるべきなんでしょうかね。その割には、バス時刻表も掲示されてなかったけど。
到着ロビーにはコンビニ(ファミリーマート)が併設されてます。




ん~……全般通して見てきて、アクセスは誉められるけど、他は標準かイマイチって感じがしますねぇ。
確かにエレベーターが設置されてたり、段差がなかったり、視覚的にわかりやすい表示がなされてたりと、バリアフリーという面ではいろいろ心配りされてるのは認めますが、使い勝手という面で云えば、そうであったりそうでなかったり。
一言で表現するなら中途半端
位置づけから何から中途半端って感じが否めないです。
「関西圏3空港時代の幕開け」なんて銘打ってますけど、どちらかというと「関西初のローカル空港誕生」と云った方がピッタリくるかなぁ、と。
これから便数・路線が増えるかどうかで変わってくるとは思いますが、今のところは「まぁ、選択肢が1個増えたカナ?」てトコでしょうか。



はい? これからも利用するか、ですか?
ん~……微っ妙―――っ

この記事へのコメント

2006年03月10日 09:37
お。もう行かれたんですね。おいらも16日に利用する予定なんですが、だいぶ参考になります。もともとがマリンエアはコンパクトをウリにした空港(それはそれで評価できると思います)なもんで、相当に推し進めた結果として配置やら構成にあれこれ無理が生じているんでしょうね。

現状では便数も少ないですし、自分も今回は新幹線で良い所を興味本位で利用してみる立場なので・・・今後の利用はマイルとの兼ね合いを見ながらでしょうかねぇ。ただスカイマークの安さを見ると東京からなら利用価値アリかな・・・。
讃岐屋
2006年03月10日 13:37
ん~……「コンパクト化」かぁ……うまい表現考え付いたもんだなぁ~。
どっちかっつーと、言葉は非常に悪いけど「田舎くさい」感じがしましたねぇ。
神戸というイメージを大事にするなら、同じコンパクト化でも、もっと洗練された印象を与えて欲しかったですよ。

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