ガタゴト列車はメルヘンを乗せて

〝四国三郎〟の異名を持つ吉野川の上流奥深く。淘々と流れる中下流域とはがらりと印象が違い、急流に深く刻まれた渓谷に、四国有数の景勝地でもある大歩危(ぼけ)小歩危があります。
「歩くのも危ない程切り立った崖」が大小揃ってるから、〝大歩危・小歩危〟と云う。
秋になると、紅葉に映える渓谷美に誘われて、多くの人が訪れる場所でもある。
……そんなに綺麗じゃなかったなぁ。まだ早いのかなぁ。それとも今年はダメなのかなぁ。多少色付いてはいましたが、樹々はまだ青々としてましたね。
残念。

後免で土佐くろしお鉄道に乗り換え。ここから先はフリーきっぷのエリア外なもので。
乗り換えに時間があったもので、一旦改札を出てキップを買う事に。
ところが、土佐くろしお鉄道の切符販売機が使用不能になっている。
仕方なく窓口に向かうと、7~8人の人が順番待ちしてる。
カウンターの向こうには5人くらいの駅員さんがいるのに、応対してるのは一人だけ。しかも応対してもらってる客は、随分と時間がかかってる様子。
出発の時間は刻々と迫る。イラ立つ客。
やっと順番が回って来た客がキップを買おうとすると、駅員が、
「あちらの販売機でお願いします」
順番待ちの客、一斉に、
「だから使えねぇんだって!」
駅員、悪びれもせず、
「車内でも買えますから」
「だったら先に言えっての!」
ん~……街の名前は後免なのに、「ごめん」の一言もなかったわ(ヲイ!) 
sora@oさんの願いも空しく、トラブっちゃいました(笑)

「あ~あ、のっけでケチが付いちゃったなぁ~」と気分が落ち込んでたところ、やって来た汽車を見て思わず笑っちゃいました。
う~わ、めんちゃこいの。
まるで路面電車のような車両が1両、ガタゴトと肩を揺らせながらホームに入ってくるのです。塗装がクジラをイメージしてのものだと一目でわかる。そして、アンパンマンで有名なやなせたかしさんの絵が、車両の側面全体に描いてあります。
聞くところによると、ごめん・なはり線の各駅にはそれぞれキャラクターが決まっていて、そのキャラクターデザインを高知県出身のやなせさんが担当したそうです。
車内アナウンスにも、そのキャラクターが出てきます。例えば安芸駅のキャラクターは〝あき うたこさん〟と言うんだそうで、車内アナウンスは、
次は安芸、安芸です。〝あき うたこさん〟の安芸に到着します
と流れる訳です。各駅停車だから、駅が近づいてくる度に毎回。
それがおかしいやらおかしくないやら。切符売場のゴタゴタなんか、どこかへ吹っ飛んでっちゃいましたよ。

車内は2人掛けシートが10列。通路は片側だけで、壁沿いに補助イスが付いている。使用しない時は、壁内に収納される――そうですねぇ、寝台列車の車内を連想して下さい。ほぼあんな感じです。
そして――コレ、写真でわかるかなぁ? ホーム側の窓にガラスがないのが。
そうです。片側は吹きっさらしのオープンデッキになってるんです。さながら遊覧船の電車版といった感じ。
当然、車内は狭いですから、あぶれた時はデッキに追いやられ、デッキそのものも狭いから、降りるまで立ちっ放しになる訳です。
でもねぇ。
これが楽しい訳。何故かはわかんないけど笑っちゃう訳。
走行風を一身に受けながらも、自分の置かれた環境に阿藤快よろしく「何だかなぁ~」と呟いちゃう訳。
そして、うまくしたもので、デッキがあるのは海側なんですな。途中からは、眼前に広がる太平洋を眺めながら行くんです。ちょっとしたトロッコ列車の雰囲気も味わえる、と。
コレ、お子さんが喜ぶでしょうねぇ。大の大人がこんだけ楽しんでんだから。おまけに駅に止まる毎に〝ナントカ駅のナントカちゃん〟が出迎えてくれるんですから。
今日が穏やかな晴れの日で良かった。これで天気が悪かったら、目も当てられない事になってたでしょう。

駅を出ると、こんな感じで各キャラクターがお出迎えしてくれます。
この方が(笑)〝あき うたこさん〟です。
安芸市は〝童謡の街〟として観光展開しています。街のあちこちに、童謡の歌碑が建てられています。
童謡の街→みんなで歌う→うたこさん、という訳ですな。
うたこさんを拝んだからって、カラオケが上手くなる訳ではありませんので、あしからず。
このように「ごめん・なはり線」沿線では、キャラクターの名前を見れば、地名とそのセールスポイントが一目でわかるようになっています。
さて、駅には地元特産品の即売所が隣接されていまして、そのショップを抜けると……
出た! レンタサイクルぅ!!
いや、別にレンタサイクル・マニアって訳じゃないんですけど(笑)
こちら、嬉しい事にタダで何時間でも借りられます。
即売所のレジで、申し込み用紙に必要事項を記入して鍵を受け取ると、夕方4時までならいつまで乗っててもOKです。台数も30台ほどありますので、ここで自転車を借りて市内をぐるり観光するのもいいでしょう。


では、奈良・東大寺の大仏さん目指して出発!――行かないって(爆)

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