実録・陣取り合戦 ―護送列車ラプソディー―

前回、『ムーンライトながら』の事を〝夢の列車〟だなんて書きましたが……ユメもチボーもありませんでした(泣) あるとしたら悪夢。
では、その悪夢の一夜の一部始終、皆さんにお見せしましょう。
物語は日付の変わった9月4日。時刻は深夜1時6分。夜行快速『ムーンライトながら』が到着する小田原駅のプラットホームから、(チョ~ン!)始まりまするぅ~!!

(ここからは、りーまんとらべらーさんのブログとザッピングでお楽しみ下さい)

1:06 小田原発
「間もなく3番線に『快速ムーンライトながら号』が到着します。白線の後ろに下がってお待ち下さい」
おなじみのフレーズの案内放送が流れると、到着を待ちわびる人たちがゾロゾロと列を組み出す。
僕が目指すのは7号車。7号車から後は名古屋で切り離される為、最悪寝過ごしても、どっか予定外の場所へ連れてかれる事はない。事前のブログチェックで、りーまんとらべらーさんが乗ってるのは2号車って事はわかってましたが、
「自由席は4号車から後ろ。1号車から3号車までは指定席車です。指定席車にはお乗りにならないようお願いします」
と何度もアナウンスされたんじゃ、ちょっと行動には移せないよなぁ。
全10両編成のうち、自由席になるのは4号車以降。ここ小田原でのポジション取りがすべてを左右する。
ポールポジションは奪えなかったものの、かなり上位のグリッドに並ぶ事が出来た。後は、シグナルがグリーンになるのを待つだけだ。
頭の中では、T-スクエアの『TRUTH』が鳴り響いてる――て、まんまF1じゃん(笑)
静かに滑り込んでくる『ムーンライトながら』――うわ! 混んでる!! しかも既に立ってる!!
なんで? どうして? 小田原までは指定席券がないと乗れないんじゃなかったの?
……フライングだ。コイツら、小田原より前の駅から乗ってきたんだ。キッタネ――ッ!!
そんな状態だから、乗ったところで取れるポジションはデッキ。満員すし詰め。自分の立ち位置を確保するのがやっと。
をいをい。このまま名古屋まで行くのか? 名古屋までの6時間強、ずっと立ちっぱなしかい? カンベンしてくれよ……
まぁ、そう思ったのは他の客も同じようで。「もう少し中入れ」「ムリだ。これ以上入れん」と押し問答をしつつ、少しずつデッキから人がいなくなる。助かった。これで少しは座れる場所が確保できそうだ。
リュックの中から座布団を取り出す。床があまりにもあまりにもだったら敷こうと思っていたスポーツ新聞は、どうやら使わずに済みそうだ。何とかポジショニングをして体育座りのような恰好になった途端、足が小刻みに震え出した。「オマエ、この体勢のままだったら死ぬぞ」と体が訴えてる。やむなく胡坐をかいて、その真ん中に荷物を据える。――あぁ、いいポジションだ。これなら少しは休めそうだ。リュックが抱き枕みたいだ。パソコンのせいで少しゴツゴツするけど。
周囲を見回す。ひどい混みようだ。昔TVで見た戦後の引揚列車みたいだ。もしくは難民護送列車。俺たちァ、何処へ連れてかれるんだ?
そんな中、大声で喋ってる大学生風グループ――いや、たいして大声でもない。普通の場所にいれば普通くらいのトーンなんだろうけど、皆死んだように押し黙ってるから(ある意味、本当に死んでんのかもしんない)、普通の声でも響く。丸聞こえ。
向かいの兄チャンのヘッドフォンから洩れ聞こえてくる音楽は、ユーロビートかトランスか。この状態でトランスって……放っておいてもトランス状態やがな。
目の前を外人ネェチャンのミニスカートがヒラヒラしてるけど、そんなのに構ってらんねぇ。少しでも体を休めないと。
それにしても暑いなぁ。このまま名古屋まで〝護送〟されたんじゃたまんないなぁ――と思ったところへ、空調が入る。その風が胸元へ入る。
あ~、助かるぅ~。最悪な中でも絶妙なポジションだったんだねぇ。
りーまんさんに業務連絡。
乗る前は「ムーンライトながらで会いましょう」なんて文面で出したけど、この状態じゃとても会えそうにない。ドアはすぐそこなんだけど、身動きが出来ないんだもの――あ、手ぐらいは振れるかもしれない。そういった訳で、改めて業務連絡。

「名古屋で会いましょう」


ドアが開く気配で――というか、誰かが降りる時に入った蹴りで目が覚める。どうせなら、もう少し優しく起こして欲しいのに、下段蹴りの連続コンボ。
室温保持の為、開けたドアは閉めるように言われてる。でも、どちらかというと開け放していた方が、空気の入れ替えになるんだが、律儀にも閉鎖ボタンを押してく人がいる。お陰で、鬱屈した空気がそこに充満する。頼むぅ~、そのまま開けといてくれぇ~。
ここは何処だろう? 長い事停車してるようだから、浜松か豊橋か。途中で何人か降りたような記憶もあるし、誰も乗ってくる気配がないから豊橋ではないだろう。……どうでもいいわ。眠い。寝かせて……
たぶんりーまんさんが探しに来るだろうけど、僕はこんな有様です。ごめんなさい……ZZZ……

豊橋から先は各駅停車の普通列車になるようです。そうは言っても、そんなに早い時間からは、そうそう乗っても来ず。三河安城や刈谷を過ぎた辺りから、サラリーマン風の客が何人か乗ってくる。
こんな囚人列車で毎日通勤する気分はどうなんだろう。まさに〝痛勤地獄〟ですね――なんてバカな事を思いつつ、明らかに邪魔であるので、いい加減立つ事に。
残すトコ、あと30分。30分でこの空間から解放されるんだ……

6:05 名古屋着
……帰ってまいりました。15時間ぶりの名古屋です。その15時間というもの、ひたすら移動し続け、電車に揺られ続け……15時間って、ア~タ……
……生きてるなぁ……
帰還証明の写真を撮ろうと、携帯を構えているところに、何やら近づいて来る〝物体〟が……
     ……あ。スーパーマリオだ……
違いました。この方が、ブログでは何度も交流を重ねている、りーまんとらべらーさんその人でありました。僕と同じように腰にユニフォーム・ジャージを巻いておられます。
     同志よ!!
なぁんて熱い抱擁を交わすのが外国映画なんかだとよくありますが、ここは日本。そして早朝。周囲から完全に浮いた二人が取る行動といっても、せいぜいが鳳凰・木村洋二ばりに
     「あぁ。どぉ~もぉ~」
と、ぎこちない挨拶を交わすくらいなもの。
聞けば、これから三重方面へ向かわれるとの事。やったぁ! 一緒一緒!! ご一緒しましょうよぉ!!
「ええい、うるさい! 寄るな!! 半径1m以内に近づくな!! 半径5m以上離れるな!!」
などと理不尽な事は一切口にせず、ご一緒させていただける事に。
実際、会話に飢えてたんですよ。心が荒んでたんですよ。ここまで誰と会う訳でもなく、誰かに話掛けられる訳でもなく。無愛想な駅員と売店のオネェサマ方の流れ作業的な受け答えだけだったですからね。こうして同行者が出来て、しかも同じ〝陣取り戦士〟ですもの、ライバルだろうが何だろうが嬉しいじゃありませんか――だからといって、募る話をするでもなく。お互い「何話していいんだかなぁ~」といった模索状態のまま、駅の中をブラブラと。
コンビニで朝食を買い込み、亀山行き電車の出るホームへ。
「私、ちょっとニコチン補給してきます」
りーまんさん、そう言ってホーム外れの喫煙コーナーの方へ。ヘビースモーカーって大変だなぁ……などと思いつつ、そのお姿をパチリ。
すみませんねぇ。本当はお顔のわからないような写真もあったんですが、それをアップすると「コレハナニ?」というコメントが殺到しそうだったので、あえてお顔の見える写真にしましたですよ。
ヨッ! いいぞ、全国デビュー!!
……わかってますよ。報復は甘んじて受けますよ。
かかってこんかい!! きゃう~ん きゃう~ん
どっちさね。

6:40 名古屋出発
〝お見合いシート〟の電車の中、目印代わりの讃岐屋半纏を脱ぎ(って、小田原から今まで、ずっと着てたんかい!)、朝食をパクつきながら他の皆さんの動向をm@すくすく日記さんのブログでチェック。もうすぐ7時ですから、そろそろ動き出してる頃でしょう。
「あ。匠技さん、姫路へ向かってるって」
「あぁ。じゃあ讃岐屋さん、何処かで会うかもしれないですね」
それも楽しいかもなぁ。んで、何処かの居酒屋で、勝負そっちのけで酒酌み交わしてたりして(笑)
「石塚さん、岩手向かったって」
「やられたぁ!」
そうでしょうそうでしょう。村上で雨に祟られなかったら、難なく獲得してたんでしょうから。でも、そうなると何ポイント取ってたの?
「留萌さん、稚内って」
「TB班と、どっちが先に北海道制覇しますかねぇ」
14支庁制覇、先にやられたらTB班の面目丸潰れですなぁ。
じゃあ、そのTB班は? 記事を追ってって、プッと噴き出した。
アヤにャン、うなされたって」
「ぶははははは」
二人して大爆笑。アヤにャン……ツラかったんだねぇ……今回の旅、うなされる程ツラかったんだねぇ……
一しきり笑った後で、僕がポソリと、
「うなされるだけいいよ……」
「だははははは」

りーまんさんは、三重県に一歩入った長島で下車。ここから名古屋に折り返して、長野攻めに移る模様。昨日、僕がたどったコースとほぼ同じルートで、出発地の横浜へ戻るつもりらしい。相変わらず容赦がないです。
お互いの健闘と、来月の再会(「どうでしょう祭」ですな)を約束して別れました。
さぁ。ここからは待望の奈良へ向かいます。
最終日のテーマ「25年ぶり、オトナの修学旅行」のスタートです!!


……なぁんか、とってもインビに聞こえるのは気のせいでしょうか……?


この記事へのコメント

m@すくすく日記
2005年09月12日 17:04
数年前、ムーンライトながらの続行の大垣夜行(臨時)に乗ろうとして、あまりの混雑とすさんだ雰囲気に、そのまま帰宅したことがあります。

翌朝早くに、上りの「ながら」の折り返し列車(快速だったかな)で西に向かいましたが、快適だったこと!

一人ワンボックス占領してもまだ余る、ゆっくり睡眠をとれました。

讃岐屋さん、翌日の行程に余裕があるなら、夜行にこだわらなくても良かったかも。
2005年09月12日 21:14
金井さんは、「う~ん、うぁ~・・・!!」とうなされた後、
「くくくくっ、」って笑ってました。これを断続的にやってましたね。
讃岐屋
2005年09月12日 22:22
>すくすく様
そんな列車があったればこそ、ですよ。今回組んだスケジュール、これがミリミリ一杯だったのれす。翌日の余裕ある(ようにみえた)行動のカラクリは、次回の講釈にて。

>TBA角ディレクター様
そうですか。笑ってらっしゃいましたか(笑) 壊れる寸前ですなぁ。
これがもう少し進行すると、夜中に大声で「ツラ――いッ!!」と叫ぶんですなぁ。
……アヤにゃン。御近所に鈴井さんって方、住んでませんか?
2005年09月12日 23:03
人の壊れ方って似てきてしまうのでしょうか?
アヤにゃんの壊れっぷりに爆笑!
ツボ、ストライクです
2005年09月14日 00:26
スーパーマリオと木村洋二で爆笑。
「どぉもぉ~」って様が目に浮かぶようです。

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