実録・陣取り合戦 ―移動がメイン―

ガタタン……ゴトトン……
夢のゆりかごは、優しい調べを奏でながら、東へ東へと向かって行きます。
――なぁんてメルヘンチックな事はこれっぽっちもなく。

6:32 播州赤穂発
「お客さん、終点です」
車掌さんに言われて、ハッと目が覚めました。いつの間にか赤穂に着いていたようです。しかも、乗り継ぎの新快速は向かいのホームに既に入線していて、間もなく発車するとの事。
慌てて乗り込みました。しかも恥ずかしい恰好で。
どのくらい恥ずかしい恰好かって?
空気枕を首に巻いたまま乗り込むくらい恥ずかしい恰好ですよ。傍から見たら、首に青いダッコちゃんを着けたオヤジが血相変えて乗ってくるんですから、そりゃあ視線も逸らしたくなるってもんです。さすがに恥ずかしいので、空気枕は折りたたんで、しまいこんじゃいました。
30分も揺られると姫路到着です。このまま乗って行ってもかまわないんですが、着いた先であまりに時間を持て余してしまうので、ここで時間調整。一旦下車します。
次の長浜行き新快速が出るのが8:00ジャスト。およそ50分の空き時間を利用して、姫路城へ向かいます。当然、開館時間の9時まではまだまだありますし、開館したとして、ゆっくり見学してるような時間は組んでません。まぁ、天守閣越しに記念撮影でもして、ちょっと余裕のある所を見せつけて、他のチームが少しくらい焦ってくれりゃいいや的な姑息な手段だったりする訳です――効を奏したかどうかは定かじゃありませんけど。
でもまぁ、多少は不気味がってくれたんじゃないでしょうか。逆に「コイツは最初から勝負を投げてるんだな」と安心感を与えてしまったとも言えますが。
(惜しむらくは、誰ぇ~も引っかからなかった事。作戦失敗ですた)
後は自分の為。接続の空き時間を潰すのに、ただ駅の待合室でボーっとしてるくらいなら、せめて観光らしい事をしようと。確かにより多くの県を踏破してポイントを稼ぐのが主旨の『陣取り合戦の旅』ですが、ひたすら移動だけに費やすのでは、あまりに不毛じゃないですか。「普段見られない風景を見て、その土地土地の美味しい物を食べる」という旅の本分を忘れちゃいけないです。

この新快速という列車の性格は、関西圏の東西をつなぐというより、通勤通学の足なんですね。
時間帯も時間帯、乗客の大半はサラリーマン・OLと学生です。座席をしっかり確保できるのは、明石までか大津以東なんですね。大阪・京都近郊は、立って行くのを覚悟しなきゃならないようです。それを証明するかのように、神戸に近づくにつれ徐々に混んで来ます。そして、大津を出る頃には、今までの混雑が嘘のようにの~んびりと、車窓の景色までがの~んびりと流れて行きます。

10:22 米原到着
ここで10:37発の豊橋行き快速に乗り換えです。
……え~、この辺の記憶が定かではありません。たぶん寝てたんでしょう。つーか、100%寝てましたぁ(笑)
記憶がはっきりし出したのは、名古屋も近くなってきた頃。スケジュール的からも、名古屋で下車して、1回目の緊急ミッションに備えるつもりでいました。
清洲という街を通りかかった時、頭に浮かんだのは清洲城というお城の事。かつて織田信長が天下にその名を知らしめる戦となった「桶狭間の戦い」の出発点であります。
駿河の今川軍との合戦に備え、この清洲城に陣を張った信長。情勢は圧倒的に不利。構えた砦も次々に陥落。「今川軍迫る」の報に籠城戦を訴える家臣。しかし信長は、その進言を退けるや、単身城を飛び出して行ってしまう。やがて少数ながら精鋭部隊を率いて、田楽狭間(俗に云う桶狭間)へと進軍。多勢に無勢をものともせず、突然降り出した雨に乗じて、一気呵成の勢いで敵将・今川義元の首を取ったと伝えられています。
(城を単身飛び出して行ったのは、実はパフォーマンスで、敵陣とは別方向の熱田神宮に向かい、本当に戦える軍勢が揃うのを待つといった、信長の作戦であったとも云われてます)
さて、その清洲城。近くでとは行かなくとも、せめて遠目にでも見られないかと思っていたところ……
天守閣キタ━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!
(……いや、そない驚かんでも……)
まさかあんな線路脇に建ってるとは思いもしませんでしたよ。ホラ、成金趣味の人が、昔の城を模した家を建てるってのがよくあるじゃないですか。たぶんソレなんだと勘違いを起こすくらいでした。ある意味オーラのないお城って事?(笑)

ね? 日本史にはチョット詳しいでしょ。(一番得意なのは幕末なんですけどね)
だから、緊急ミッションで日本史に関する出題がされたなら、ど~んとこい♪だった訳ですよ。あるいは「陣取り合戦」なんてのをやってる訳だから、地理に関する問題でもOKだなぁ――なぁんて予想を立ててた訳ですよ。
「中学とか高校で授業聞いてた?」「緊急ミッションは授業を聞いていないと達成できないような問題なんでしょうか?」などというヒントも頂いた事ですし、「よもや数学系じゃないでしょうね?」と釘を刺したつもりだったんですけどねぇ……
そんな淡い期待を裏切って、運命のラインは、二次方程式グラフよろしく大放物線を描きながら〝破滅〟へと向かっていったのです。
(そんな大それたモンかよ!)

この記事へのコメント

2005年09月11日 22:02
いきなりの城見物、「旅の達人賞」あるいは「アッパレ賞」狙いで、日本全国城めぐり(あるいはご当地名物めぐり)をやるのかと思っていました。出発前、一番期待していたのは温泉めぐりなんですが……。
2005年09月11日 22:15
すいません、フェイントに引っかからなくて。
…っつぅか、ほかの人は気になりますが、自分で手一杯ですってば。。。

この記事へのトラックバック