1泊2日・長州生き地獄ツアー ―第5夜―

画像≪ 萩市内ほっつき歩記 ≫


一晩お世話になった宿「萩本陣」を後に、いよいよ観光ツアーに出発します。まず目指すは、松陰神社――て、旅館を出てすぐ、100mも行かないんですが。
松陰神社は、萩を、そして幕末を代表する思想家・吉田松陰を祀った神社。境内には、松下村塾や遺墨展示館、吉田松陰歴史館があります。駐車場無料。

本堂へ向かう道をいくらも行かないうちに、小さな物置小屋のような建物があります。これが松下村塾。
わずか8畳。後に10畳半を建て増し。「え、これが? この小屋が松下村塾?」というのが正直な印象。この小さな空間に、幕末維新を代表する壮々たる面々が集い、日本の将来を憂いては真剣な議論を戦わせ、ある者は志半ばで散り、ある者は新時代を築き上げた。
何と申しましょうか……感無量です。この時代に興味のない人には「ふ~ん」でしょうけど。あと、桂小五郎が末席だったのは意外でした。

松下村塾のすぐ裏手には、旧宅がそのまま残されています。
佐久間象山にそそのかされて(笑)ペリーの黒船に密航しようとして失敗、萩へ連れ戻された後、幽閉された部屋もあります。幽閉というと時代劇であるような座敷牢をイメージしがちですが、随分とオープンです。庭に面した3畳ほどの広さで、ここでも庶民相手に「孟子」や「武教全書」などを講義していたという話です。それから2年あまりで松下村塾を開いたというから、してみると、幽閉・自宅謹慎なんてのは名目だけで、藩もそれを黙認してたんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?

参道をはさんで反対側には、松陰遺墨展示館があります。松陰が書いた手紙や書物が展示してあります。入場料210円(10円は消費税?)。この日は、門下生の久坂玄瑞(禁門の変で憤死)や吉田稔麿(池田屋事件で憤死)の遺筆も展示してました。
あたり前ですが……達筆やなぁ。僕、この時代に生きてたとしても、読めなかっただろうな。
「それで松陰先生は何と?」
「……読めん!」
「……帰れ、コノヤロウ!!」
そして時代は動かなかった、と(笑)

吉田松陰歴史館。松陰の生涯を蝋人形で再現したものです。全国に似たようなのがありますね。高松には「平家物語歴史館」が、松島には「伊達政宗歴史館」がありますね。ハイ、アレです。入場料650円。
印象は……暑い! 暑過ぎ!!
何なんでしょう、ここの空調は。クーラーじゃないんです。扇風機。順路の角々に置いてあるんですが、省エネのつもりなのか3台に1台しか回ってない。ただでさえ密閉空間なのに。もォね、耐えらんない。ゆっくり見てらんない。回りきるまでに汗だく。商売として絶対損してるよね。よく人形が溶けないもんだ。
皆さん、この季節にはオススメできません。できたら夏以外の季節に……あ、冬もダメですね。僕、多分こう言います。「寒い……」

余談。
境内の売店で。ご近所の方なんでしょうか、犬を散歩させておられました。レトリバーかな、結構な大型犬。で、お店のオバチャン、バケツに汲んだ水をワンちゃんに差し出す。会話の内容から、おそらく2杯目。
「今日は暑いもんねぇ。ハイ、おかわりどうぞ」
するとワンちゃん、何を思ったか、せっかくもらった水を飲みもせず、右の前脚をガポッ! 続いて左もガポッ! で、顔からザポッ!!
……行水ッスか……


神社の境内を離れまして、脇の道をテクテク5分ほど歩きますと、日本最初の総理大臣・伊藤博文の旧宅があります。
途中、道路脇に「吉田稔麿 誕生の地」の石碑。屋敷跡にはごく普通の家が建っていました。もし明治の時代を生きていれば、日本最初の総理大臣は伊藤博文ではなく、この吉田稔麿だったろうと云われている。歴史に名を功を残した人物の遺跡は後世に残り、残せなかった者は石碑ひとつで済まされる――無常ですなぁ。
画像で、伊藤博文公の旧宅。
農家風の、藁葺き屋根の小屋が建つ。「え、これが!?」とビックリするような華奢で質素な造り。時の宰相が住んでいた、千円札の肖像になるような人物が住んでいたとは、とても思えない。聞けば、歴史の表舞台に登場する前、まだ「伊藤博文」ではなく「伊藤俊輔」の名で桂小五郎と行動を共にする前まで住んでいたとか。







画像その隣には、たいそう立派な屋敷が建つ。これが伊藤博文公の別邸。
総理大臣・枢密院議長として東京に住んでいた時に建てられていたもの。そのうち車寄せを持つ玄関・書院を含む大広間・離れ座敷の3棟をここに移築(この棟に続く洋館もあったのだが、それは移築しなかったそう)。旧宅とは比べ物にならない程の、和風二階建ての豪華な屋敷だが、実際には2年程しか住まなかったそうだ。満州訪問の途中、ハルピンで暗殺されてしまったから。もし殺されずに日本に戻っていたら、この家にももっと思い出が刻まれた事でしょう。


さて。それでは松陰神社を離れ、萩市の中心街・城下町へと向かいます。
ハ~イ、皆さんコッチですよぉ。この旗の後に付いてきてくださぁい。

この記事へのコメント

sora@o
2004年08月18日 02:12
夜中に失礼致しますm(_ _)m松下村塾ってかなりちっちゃいんですねぇ~。初めて見たのでビックリです。生まれてからずっと東日本育ちなものでこういう画像に興奮してしまいますねぇ。
関係ないですが、大河ドラマの桂小五郎の石黒賢が何だか嫌です(笑)。

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