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zoom RSS 「さる」のお話

<<   作成日時 : 2010/10/20 20:45   >>

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といっても、世間を騒がせた噛みつき猿とか、福知山動物園で人気の子猿「みわちゃん」の話とかじゃありません。
今日は、北海道の方言のお話です。

先週の土曜日、アイドルグループ「嵐」が司会のバラエティ番組『嵐にしやがれ』(日テレ系)に我らが大泉洋さんがゲスト出演されましたが、その折に
「北海道弁でおささる≠ヘ間違えて押してしまった≠フ意味である」という話題になりまして。

       「お前、昨夜ド深夜に着信あったけど、何かあったか?」
       「いや? 別に電話なんてかけて……あぁ、ゴメン。たぶん、リダイアル押ささったんだわ」
       「なぁんだ、そうか。それじゃあ仕方ねぇな」

とまぁ、用例としてはこんな感じ。
HDDレコーダーに録ってあったのをやっと見まして、
「あぁ、そうそう。言うわ、言うわ」
と一人で盛り上がってしまいました。
(そこ! 「淋しいヤツ」とか言わない!!)
確かに、北海道の方言では「○○(動詞)+さる」という受動体の表現をよくします。それこそ日常的に。
実際ワタクシも、インク切れで書けなくなったボールペンに
「あ〜、このボールペン書かさんねぇ!」
と、思わず口にしちゃう事ありますもの。

この「動詞+さる」という用法、普通に「○○している」という意味で使われます。その動詞そのままの用法ですね。ただし、そこには「客観的シチュエーション」という背後関係が含まれます。
例えば、花壇などに花が植えてある場合、「花が植わさってる」という言い方をします。
自分が植えた場合には、これは主観的になりますから「植わさる」ではなく「植える」です。あくまで客観的、自分ではない誰かが花を植えた場合には「植わさる」と言います。
それとは別に、「自分の意思とは無関係にそうなってしまった」という意味で使われる事もあります。
つまり「無意識にそうしてしまった」とか「自分ではそうするつもりだった(or そうするつもりはなかった)のに、こうなってしまった」という意味で用いるのが常です。
前述の「押ささる」なら「無意識に押してしまった」、「書かさる」なら「そのつもりはないのに書いてしまった」(逆に「書かさらない」なら「書こうとしたのに、何か物理的理由で書けない」)という意味になる訳です。
だからといって、動詞なら何でもって訳ではありません。

まず「飲まさる」とか「食わさる」とかは言わないですね。

       「いやぁ〜、昨夜は全然飲むつもりなかったのに、飲まさっちゃったぁ」
       「飲まさった≠チてお前、あんだけ自分で注いでおきながら……おい! それ、俺の弁当!!」
       「あ、ゴメン。すンげぇウマそうだったから、食わさっちゃった」

ハイ、用法として大きな間違いがありますねぇ。
受動体動詞の用法は無意識にそうなってしまった≠ニいう場合に限ってですからね。「無意識に飲んだ」とか「無意識に食べた」とかって、まずないでしょう。大抵は意識しないと飲む事も食べる事も出来ませんから。
もしあったら、それはア〜タ、病気ですから。

「言わさる」とも言わないですね。

       「お前、何バラしてんのよ。それ、秘密だって言っただろ!?」
       「あ、ゴメン。つい言わさっちゃった」

とは言いません。
……あれ? 言うべか? 言わんよな?
ん〜……寝言は無意識か。独り言も無意識か?
とにかく、何でもかんでも「無意識に言ってしまった」ってなったら、その人は周囲から「口の軽い人」「信用ならない人」ってレッテル貼られてしまいますから。あるいは妄言癖と思われるか。
どっちにしても人間失格ですよね。

「行かさる」も言いませんね。
それじゃ「無意識に○○へ行ってしまった」という意味になって、「アンタ、夢遊病者?」って疑われても仕方ありませんから。
同様に「歩かさる」「走らさる」も言いません。

この「動詞+さる=vの用法、キーワードは「無意識」「意に反して」ですから。
成るべくして成った結果に対しては用いられません。
例えば、壁や板に画鋲を刺そうとして、材質が固くて全然刺さって行かない時には

       「いやぁ〜、画鋲、全然押ささんねぇ!」
       (訳:「一生懸命刺そうとしてるけど、全然刺さらない」)

とは言いますが、

       「このポスター、画鋲で押ささっといて」

とは言いません。
ですが、苦労の末にやっと刺す事が出来た時には、

       「はぁ〜、やっと押ささったぁ〜」

とは言うんですよねぇ〜。
……ムズかしいですか? ムズかしいですよね。
だってコレ、北海道弁講座 上級編≠ナすから(笑)
それを、知ったかぶりして使ってると、「お前、何言ってんの? 全然意味通じねぇ」と鼻で笑われますから。

いやいやいや、この「さる」は動物園のサルを手なずけるより難易度高いですよ。
使いこなせたら、これ以上便利な方言はないですけど。


ほでわ北海道弁講座 初級編≠(笑)

北海道では、「こんばんわ」に代わる普段の挨拶に「おばんでした」という言葉を使います。老若男女問わず言いますね。主にご年配の方がよく仰いますけど。
ワタクシも、たまに電話口で「あぁ、どうもおばんでした」と言ってしまう事があります。
だからって「こんにちわ」の代わりに「おひるでした」とは言いません(笑)
朝だろうが昼だろうが「おばんでした」です。
で。
この言葉に限らず、北海道では「〜でした」と過去形で挨拶する事が多いです。
番組内では、大泉さんが父親に電話をかけると
「はい、どうも。パパでした」
と受け答えするというエピソードを披露してましたが。
そういえば、ワタクシもうっかりそう言ってしまう事がありますねぇ。

       「やぁ、どうもどうも。讃岐屋でしたぁ」
       「いや、誰も訊いてないし。つーか、クイズかよ」

誰がクイズなんか出すか(笑)
で。
これが東北辺りまで南下すると、現在進行形になります。
「おばんでした」も、普通に「おばんです」と言います。山陰でも、ご年配の方の挨拶は「おばんです」ですね。 
だからって、九州辺りまで南下しても未来形にはなりません。
間違っても「おばんでしょう」とは言いません。
つーか、未来形にする必要あんのか。天気予報じゃないんだから(笑)



という訳で、おサルさんではない「さる」のお話でした。


ウキッ!!

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いや、ウチ(知床〜北見)では「オバンです」いうぞ。普通に遊びに行ったときに「おじゃまします」とかのように。
みすたぁ
2010/10/25 05:11
帯広ではよく聞いたなぁ。ご年配の方限定だけど。
札幌の方じゃ、それが普通だって聞いたけど。

……まぁ、でっかいどぉ、北海道≠セからね。
(このキャッチフレーズも、いい加減どうかと思うけど)
讃岐屋
2010/10/25 13:38

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