讃岐屋が行くわよっ☆

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help リーダーに追加 RSS ご近所のらり旅 ―桃太郎さんは盆栽がご趣味―

<<   作成日時 : 2008/10/30 23:05   >>

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童話でも有名な『桃太郎』。皆さんがよく知っているのは、犬・猿・雉をお供に鬼ヶ島へ鬼退治に出かけ、見事に鬼を討ち果たして、たくさんの財宝を携えてお爺さんお婆さんの許へ帰ってくるというお話でしたね。
実はこのお話に続きがあるというのをご存知でしたか?
そんな「続」桃太郎伝説が残る土地が、高松市の西にある鬼無(きなし)町という場所なのです。
実はワタクシめが住む場所からは目と鼻の先。ほんのお散歩コース的なトコだったりします。
てな訳で、今回ののらり旅≠ヘ何処へ行くでもなく、すぐご近所の街をのらりくらりと散策いたします。
これがねぇ、実に散策し甲斐のある土地だったりするんですよ!



物語は遠く神話の時代。
孝霊天皇の子・稚武彦命(ワカタケヒコノミコト)が、讃岐に住む姉の倭迹迹日百襲姫命(ヤマト・トトヒ・モモソヒメノミコト)会いに来たところ、瀬戸内の島々を中心に暴れまわっていた海賊に苦しめられている民衆の姿を見て義憤にかられ、海賊退治に乗り出す事を決意します。
稚武彦命は、雉ヶ谷というところに住む老夫婦の許に身を寄せながら仲間を募ります。やがて、犬島(岡山県の沖にある島)出身の水軍、猿王(現・綾川町陶)出身の火を操る焼物師一族、雉ヶ谷出身の弓の名手など多数の仲間を従え、海賊の本拠地である女木島(高松沖にある島)へ攻め込んで、海賊を降伏させ、海賊が隠し持っていた金銀財宝を分捕って、雉ヶ谷へ凱旋します。
ここまでが皆さんご存知のお話。
え? そんな話、全然知らないですって?
では、稚武彦命を桃太郎、お供は出身地の頭文字を取って犬・猿・雉、海賊を鬼に置き換えると……ほぉら、「桃太郎」のお話でしょう?
では、話を後日談に戻しましょう。
稚武彦命にやり込められ、怒り心頭の海賊たち。その勢いを駆って、逆に雉ヶ谷へ攻め寄せます。迎え撃つ稚武彦命軍。激しい戦闘の末、稚武彦命は海賊をすべて討ち滅ぼします。この戦で鬼(当時、人々を苦しめるものは人であろうが病気であろうが「鬼」と呼ばれていました)がすべていなくなったので、雉ヶ谷の地名は「鬼無(鬼がいない≠ニいう意味)」と改められました。
これが、鬼無に伝わる桃太郎伝説。
で。
この英雄譚が、後の世に讃岐守として赴任してきた菅原道真の耳に入り、数々の創作を加えた上で『桃太郎』という話を創り、後世に語り継いでいったという訳です。東北の蝦夷のように、まだまだ朝廷に反旗を翻す輩が数多くいた時代、天皇の息子・稚武彦命の英雄譚というだけでは世に広まらない、まして後世には残らないと考えたんでしょうね。御伽噺にカムフラージュして、後世に伝えようとした道真の苦労が偲ばれます。
……スゴいですねぇ、道真公まで出てきましたよ。しかも『桃太郎』の作者ですって。
いったいどこまでが本当なんでしょうねぇ?
ちなみに「桃太郎」という名前、稚武彦命が倭迹迹日百襲姫命の弟という事で「百太郎(「ひゃくたろう」と読んではイケナイ。それじゃ『うしろの百太郎』だもの)」と呼ばれ、そこに道教の「桃は魔除の果実」という言い伝えが加わって命名されたんだとか。
また、「桃は若返りの実」という言い伝えもあり、川から流れてきた桃を食べ、若返ったお爺さんとお婆さんがアッハンウッフンした結果に生まれたのが「桃太郎」というお話もあるそうで。「子供に聞かせる御伽噺」が「子供には聞かせられない艶話」になっちゃいました(笑)
でもそうなると、「桃から生まれた」ってのも、あながちウソとも言い切れない(爆)
…………
はい? 「『桃太郎』は岡山の話じゃないのか?」ですって?
そのとおり、岡山は岡山で、稚武彦命の兄・吉備津彦命(キビツヒコノミコト)が、鬼ノ城(現・岡山県総社市)を根城にしていた百済国の王子・温羅(ウラ)を討ち果たした英雄譚が『桃太郎』の話の元になっています。
ただまぁ……この伝説には時代的整合が取れていない(吉備津彦命が生きていた時代と温羅が生きていた時代に数百年以上の開きがある)とか、岡山で桃の栽培が行なわれるようになったのは明治以降であるなど、否定的な一面もありまして……
まぁ、全国に散らばっている桃太郎伝説≠ノは、諸説いろいろありまして、どれが正しいとは一概には言えないのですよ。モチロン、『鬼無の桃太郎伝説』も疑わしい面はいっぱいありますよ。ただまぁ、それを一つ一つ検証していっても詮無い事ですしね。

ともあれ。
『桃太郎』のお話は、実は単なる勧善懲悪の御伽噺ではなく、古事記にも語り尽くされなかった一大歴史ロマンの口伝であったという一面もあるんだよ――という話を紹介してみました。
どないだ?


そんな鬼無一帯。
駅にも桃太郎伝説が溢れています。
特急はモチロン、快速電車だって早朝便と深夜便しか停まらない駅ですが、『鬼無桃太郎駅』という愛称が付けられています。
そういった縁でしょうかね、ホームには某ゲームソフト会社から寄贈された『桃太郎』の石像があります。
画像
ば〜い はどそんっ(笑)
イヤイヤイヤ。こぉ〜れはどぉ〜なんだ?
駅舎には中華料理店『ニュー雅園』が同居してます。値段はまぁまぁ。味もまぁまぁ。特筆すべき点はナシ、と(笑)
で、その中華屋の女将さんが、日中は駅の出札業務を務めています。いわゆる委託業務というヤツですね。
なので、基本的に早朝・夜間は無人駅に。
そこ! だからってキセルしようなんて気を起こさない!

駅から西に少し行った先、桃太郎こと稚武彦命を祀った桃太郎神社があります。
正しくは熊野権現桃太郎神社≠ニ云い、イザナギ・イザナミを祭神として祀っています。
神社の言い伝えによれば、この一帯の鬼を駆逐したのは熊野権現という事になっていますが、いつしか土地に古くから伝わる桃太郎伝説と合体。稚武彦命も合祀する形で、熊野権現桃太郎神社≠ニなりました。
神社側は「鬼を退治したのは熊野権現」と言い、街の人々は「退治したのは桃太郎」と言い……妙な話(笑)
画像画像














いやいや、さすが桃太郎神社。鬼瓦ならぬ桃瓦≠ナすもの(笑)
みうらじゅんが喜びそうな顔出し看板は御愛嬌という事で。
して、本殿脇にはなんと!桃太郎と犬・猿・雉、そしてお爺さんお婆さんのお墓まであります。
画像画像














桃太郎を挟んで右が犬、左が猿、その隣が雉のお墓だそうです。
て事は、この大きい岩がお爺さんお婆さんのお墓? 桃太郎よりデケぇんでやんの(笑)
つーか、犬・猿・雉の祠より桃太郎の墓石の方が小さいってのはどうなの?(爆)
一説によれば、犬・猿・雉は鬼が逆襲してきた時に戦死した事になっているんだとか。
前述のとおり、犬・猿・雉ってのは決して誰かを指した訳ではなく、ましてや本当に犬だったり猿だったりした訳ではありません。桃太郎、ドリトル先生じゃありませんから。
ですんで、ここにある祠ってのは、誰かのお墓ってんじゃなく、その一族のお墓って考えた方がいいのかもしれないですね。
ちなみに、神社の裏山は柴山と名付けられています。ハイ、お爺さんが柴刈りに行った山です。
(余談ながら
お爺さんが山へ柴刈りに、お婆さんが川へ洗濯に行くのは「性別で作業分担するのはおかしい!」と異を唱える市民団体がいて、そこが出している本では、お婆さんが柴刈り、お爺さんが洗濯をしているんだとか。
他にも、鬼退治が「暴力的だ」として話し合いによる和解≠ノ書き換えられている本もあるんだとか。
何を考えてんでしょうね。そんな御伽噺まで主義主張で歪曲されたんじゃ、たまったもんじゃないですよ。
とにかく、今の子供たちに『桃太郎』の話をすると、「学校(幼稚園)で聞かされてるのと違う!」と言われるかもしれませんよ。
最近の桃太郎は、電車に乗って時空を超えたり、「変身」したりするらしいですけど(笑))

画像さて、県道33号線まで戻りまして。
線路を越えた反対側、鬼無交番(こちらも『桃太郎交番』という愛称が付いてます)の向かい側に、『鬼ヶ塚』というものがあります。
桃太郎(=稚武彦命)が、討ち果たした鬼の屍骸をここに埋め、弔ったと言い伝えられています。
意外や意外、もっともらしい史蹟がちゃ〜んとあるもんなんですねぇ。


この鬼無という街、「盆栽の里」を標榜してるだけあって、造園業を営む家がたくさんあります。また、全国の松盆栽の8割は、ここ鬼無で生産されているそうです。そのシェアは日本国内だけに収まらず、海外にも輸出されているんだとか。
前にニュースでやってましたが、盆栽に魅せられたフランス人青年が、ここ鬼無に住む造園家の下で盆栽造りの修行に励んでるそうです。
KINASHIのBONSAI=A世界的ブランドになっちゃいました。
高松西高校の手前には、高松市植木盆栽センターというのがあります。多くの造園家が丹精込めて育てた盆栽・植木がここで競売にかけられ、全国へと出荷されて行くのです。また、毎年秋には『きなし盆栽植木まつり』というイベントが催され、盆栽・植木の即売、オークション、プロによる盆栽の健康診断などが行なわれます。
いやぁ〜、全国の盆栽マニア垂涎の(笑)イベント! 世界中の盆栽バカが、ここぞとばかりに集ってくる訳ですよ。まさに『マニアさんいらっしゃい』(爆) 
時に皆さん、盆栽ってどうやって育てるか知ってます? 最初から鉢に入ってる訳じゃないんですよ。
画像画像














こうやって、畑である程度まで大きく育ててから、鉢に植え替えて商品とするんだそうです。
こんな小っちゃくても「松ッ!!」て主張してんのがおっかしくって……


盆栽植木センターへ向かう途中、ちょっと気になるお店を見つけました。
『囲炉裏空間 善』
一見すると普通のお家のようで、看板に珈琲屋の名前が入ってなければ、ここが喫茶店だなんて思いませんって。
画像画像














いやぁ〜、いい雰囲気じゃないですか。店先の手押しポンプと「営業中」の表札代わりの徳利が泣かせますねぇ。徳利に書かれた『やっりょるで(讃岐弁で「やってます」という意味)』の文字がほのぼのさせるじゃないですか。
お店には靴を脱いで上がります。店全部が小上がり状態。民家を改造しましたってのが丸わかりの、階段を利用した物置(笑)
カウンター内には焼酎のボトルキープなんかが置いてあって……してみると、夜は居酒屋になるんですかね?
で、店名の由来ともなる囲炉裏が店の奥に。これ、飾りなんかじゃないんです。事前に予約注文しておけば、この囲炉裏を囲んで鍋料理がいただけるんですねぇ。
まぁ、鍋なんか囲まなくても、この囲炉裏を眺めてるだけで、ノスタルジックにかられてしまうのは僕だけでしょうか。
画像



こうして巡ってみると隣街・鬼無、なかなかに面白い場所じゃないか、と。
別に遠くまで行かなくても、「旅」出来るじゃないか、と。
だからって、小じんまりと落ち着くつもりはありません。
次回ののらり旅、ド〜ンと世界一周豪華客船の旅を!!

……ははは。
ウソウソ、しません。出来ません。やれる訳がありません。



スミマセン……

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
わ〜凄い!

楽しませていただきました。

こんな伝説のある場所が、すぐそばなんて、楽しそう!
それにしても、讃岐屋さんの、文才には恐れ入りました。

お婆さんが川へ洗濯に行くのは「性別で作業分担するのはおかしい!」と異を唱える市民団体がいて、そこが出している本では、お婆さんが柴刈り、お爺さんが洗濯をしているんだとか。
>可笑しいですね。

KINASHIのBONSAI
>テレビで見ました。世界的なんですから凄いですよね。

『囲炉裏空間 善』
>こんなところで、飲んでみたいな〜!


mimi
2008/10/31 22:46
そうなんですよ。
鬼無が桃太郎伝説に縁のあるってのは知ってたんですけど、詳しくは知らなかったんですよね。今回ちょっと調べてみて、「はぁ〜、ナルホドねェ〜」と思った次第。
リポートしてる人がこうだもの、読んでる側にしたら、もっと「へぇ〜」な話なんでしょうね。
今度、『全国桃太郎伝説の里めぐり』なんつー旅、やってみようカナ?

『善』さん。今度は夜に行って、あの囲炉裏端で鍋をつつきたいと思ってます。
なんか爺ちゃん家で飲んでるみたいな気分になったりして。
讃岐屋
2008/11/01 00:06

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